研究課題/領域番号 |
02808003
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 公孝 核融合科学研究所, 理論データ解打研究系, 助教授 (50176327)
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研究分担者 |
福山 淳 岡山大学, 工学部, 助教授 (60116499)
伊藤 早苗 核融合科学研究所, 理論シミュレーション研究センター, 助教授 (70127611)
東井 和夫 核融合科学研究所, 計測研究系, 助教授 (20093057)
中島 徳嘉 核融合科学研究所, 理論データ解打研究系, 助手 (30172315)
佐貫 平二 核融合科学研究所, 理論データ解打研究系, 助教授 (80109355)
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キーワード | 異常輸送 / トロイダルプラズマ / 微視見不安定性 / 磁気井戸 / 電流拡散 / ディスラプティブ不安定性 |
研究概要 |
この研究の目的は、トロイダルプラズマの中で、磁気面を横切って起きる異常輸送が、微視的な不安定性によって誘起されるものと考え、その不安定性を抑制することによって、ト-ラス・プラズマの閉じ込めを改善する方法論を発展させることにある。 元来、不安定性は、悪い磁場曲率(磁気丘配位)などによって起こされるものと考えられている。今年度の研究では大きな進展が得られた。即ち、ヘリカル系では、周辺の磁気丘配位がもたらす不安定性と、それに基づく異常輸送について、新たに、電流拡散係数を取り入りた平均場理論を展開し、異常輸送の新しいモデル理論を確立することが出来た。この結果は、従来知られている実験結果の相当部分を説明しうる。今後さらに実験検証がすすめば、この理論表現(安全係数やアスペクト比等を表式に含む)に基づいて、優れた配位を選ぶ事が可能になる。トカマクのLーモ-ド放電における輸送係数について、アスペクト比を変えた実験が行われ、トロイダル曲率によって、異常輸送が強く支配されている事が見出されつつある。本研究でもJIPP TーIIUの結果を検討し、それを確認している。トカマクでは、異常輸送のモデルのうち、トロイダル曲率を主原因とするものを、今後集中的に調べる必要がある事が分かった。ここで得られたヘリカル系の結果を、今後、トカマク配位にもこの理論を拡張できれば、(理論的には、二次元構造へと拡張が必要なので、これから多くの研究が必要であるが、)一層理解が深まる事が期待される。 この組織研究で得られた手法は、巨視的ダイナミクスを解明する新しいモデルをも生みだした。上に述べた、異常輸送の一部の、電流の拡散を考慮することで、異常輸送が巨視的なMHDダイナミクスに影響し、ディスラプションの様な破壊的な現象をもたらす、という全く新しい物の見方を得、ディスラプティブ現象のモデル構想へと発展した。
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