研究分担者 |
谷口 宏 九州大学, 工学部, 教授 (10037715)
園田 昇 大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)
杉本 豊成 京都大学, 工学部, 助教授 (30093256)
小倉 文夫 広島大学, 工学部, 教授 (90028150)
安藤 亘 筑波大学, 化学系, 教授 (30008429)
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研究概要 |
1.高配位ヘテロ元素化合物群の合成とそれらの構造の物理的手段による解明・・・4配位の置換基が全て炭素よりなる[10ーSーC4],[10ーSeーC4]型高配位化合物の存在を ^1Hー, ^<13>CーNMRスペクトルにより明らかにすると共に、それらの合成と単離、構造決定に初めて成功した。2置換テルリドと有機リチウムの配位子交換反応で3配位のア-ト錯体形テルル化合物[10ーTeーC3]の存在を ^<125>Te, ^1H, ^<13>CーNMRを用いて明らかにし、その安定性についての理論的考察を試み、カルボニルリチウム等の新しい合成試剤の発生に成功した。アレンエピスルフィドとエニア鉄カルボニル錯体等との反応において新規な硫黄ー金属形成において超原子価硫黄化合物の関与を明らかにした。また特異な電子構造を有するテトラキス(1,3ーベンゾチオ-ルー2ーイリデン)シクロペンチルカチオン等での基底状態での異常な電子構造の寄与を吸収スペクトル、ESRスペクトル等により解明した。2.反応性中間体としての高配位ヘテロ元素化合物の存在の研究・・・スルホニウム塩、スルホキシド(及びそのセレン同族体)と有機リチウム、グリニヤ-ル試薬、Li,Na等の金属との反応で中間体として高配位スルフラン、セレヌランの存在することを反応生成物の検索とNMRスペクトルにより明らかにし合成化学に用いた。3.高配位ヘテロ元素化合物を用いた有機合成の研究・・・TeーO結合等高配位有機テルル化合物を中間体とした有機合成の研究でオキシテルニル化、アミノテルニル化、アミドテルニル化を利用した複素環合成を行った。また、超原子価ヨウ素化合物[PhIOーTfOH],[PhIOーTf_2O]等を用いた付加反応により新規な化合物を合成し、ジスルフィド、ジセレニドの多重結合への付加反応、芳香族親電子置換反応等合成化学上重要な反応を見いだした。 4.高配位ヘテロ原子化合物合成の手段を用いて未知の化合物である炭素カチオン型5配位の炭素化合物の合成に初めて成功した。
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