研究課題
1 沖縄の里親制度が全国の都道府県と比較して世帯1万対里親数、人口1万対委託児童数で、全国最高位にあることは、主要には里親制度を重視した行政の施策にあると判断されること。2 動機類型では、沖縄の場合、全国レベルで多い「養子を得たい」「子育てをしたい」など利己的動機が少なく、「不幸な子を助けたい」「人や世間の役に立ちたい」など、利他的動機に基づくものが多い。また利己的動機に比べ、利他的動機をあげた場合の方で、近隣に「話していない」という里親が高率である。さらに利他的動機で里親になった人の場合、全入観・ステロタイプ・特別視に対する抵抗が強い。3 沖縄の場合、全国と比較して里親としての養育期間が相対的に長い。4 養子となっている子どもの数は、女の割合が著しく高い。5 受託時に問題を抱えていた子供達の約8割が、里親受託を通して間題の消失や経減を経験している。6 養子縁組を考えていない養育里親のほうが告知の割合が高い。7 実子がいない里親たちはいる場合に比べ年少の里子を1人迎えた例が多く、過去にも受託した経験がある里親は、3歳以上の里子、複数の里子を受け入れる傾向が目につく。8 沖縄の里親たちは血縁にこだわらないゆるやかでおおらかな家族観をもっている。また実子のある里親の方が血縁関係を重要視している。9 養育里親を志向するものは、若年層で少なく、50歳以上の高年齢層で曽加する。10 社会活動の経験は、養育里親志向型で高く、養子里親志向型で低い。