研究課題/領域番号 |
03301061
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿部 良雄 東京大学, 教養学部, 教授 (60012465)
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研究分担者 |
持田 公子 東京造形大学, 助教授
岩佐 鉄男 東京大学, 教養学部, 助教授 (50203360)
船曳 建夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (90165457)
小林 康夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (60153623)
横山 正 東京大学, 教養学部, 教授 (80012417)
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キーワード | 庭園 / 建築 / 空間構成 / 環境 / コンピュ-タ画像 |
研究概要 |
平成3年度の研究は、庭園およびその表象について、各分担者・グル-プごとに、それぞれの基礎資料の収集・整理を中心に進められ、その資料にもとづいた基礎的な分析も個々の研究分担者によって始められている。たとえば、コンピュ-タによる庭園図面のデ-タベ-ス化や、文字で描かれた庭をコンピュ-タを用いて図像化する試みも一部開始され、個別的研究としては、ボ-ドレ-ルの詩における庭園/樹木のイメ-ジ(阿部良雄)、桃源郷としての庭(芳賀徹)、東欧圏の美術作品に見られる庭園(森安達也)、庭園像としてとらえたドイツ文学(水田恭平)、現代音楽および美術の場(題材)としての庭園(岩佐鉄男)などの取り組みがある。また、横山正による中近東のイスラム庭園の調査、義江彰夫と藤井恵介がそれぞれ行っている日本の庭園・建築の調査・分析など、実際の庭園についての研究も進められた。平成3年11月の第1回研究会では、横山正のイスラム庭園調査の報告、大阪市立大学助教授福田晴虔氏によるイタリア・ヴェネト地方の庭園の建築についての研究発表があり、それぞれの空間構成の実際と理念の両面にわたって検討が加えられた。平成4年1月に伊勢市および犬山市で行った第2回研究会は、伊勢神宮と茶室如庵を実地調査の対象に取り上げて、日本的空間構成をそのマクロ的次元からミクロ的次元にいたるまで、時代的・文化的背景をも含めた幅広い視野で観察・検討し、この問題に関する参加者の理解をいっそう深めた。こうした実地研究、およびコンピュ-タ画像によるデ-タベ-ス作成といった実在の庭園に関する分析を、本研究のテ-マである「文学及び美術に表現された庭園」の研究と重ね合わせ、問題をさらに掘り下げて、新たなパ-スペクティヴを開いていくことが、来年度の課題である。
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