研究分担者 |
小池 正夫 広島大学, 理学部, 教授 (20022733)
三輪 哲二 京都大学, 数理解析研, 助教授 (10027386)
川中 宣明 大阪大学, 理学部, 教授 (10028219)
近藤 武 東京女子大, 文理学部, 教授 (20012338)
小田 忠雄 東北大学, 理学部, 教授 (60022555)
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研究概要 |
数理物理学・情報科学を始めとして,およそ数学的思考が有効であるすべての分野に代数的手法はますます急速に浸透しつつある。それと同時に,古典代数学の内容が見直され,その豊かな遺産が新しい装いをまとって再現してきている。不変式論におけるCapelli恒等式の9アナログ(日比・若山・梅田・野海による)等に象徴されるその流れを集大成しようと,1991年12月16日〜18日の3日間,大阪大学理学部においてシンポジウムを開催した(世話人:川中宣明・谷崎俊之)。「不変式論における新しい流れ」と題したこの集会は,当初の予想を遥かに越えた約100人近くの参加者を集めた。この成功は狭い意味の代数学に留らぬ広い,しかし古典に根ざした深いテ-マが多くの興味をそそったものと思われる。 発表および議論された成果は次のように大別される。 1.不変式論における古典的アイデアの現代的再生(梅田・若山・行者)。 2.9アナログの発展(若山・三町・野海)。 3.数理物理学における代数系(黒木・塚田・小須田)。 4.D加群の応用と現状(関口・堀田)。 今年度は予算の制限上,これらの集成の報告集は作成出来なかったが,次年度の計画において,これらの発展を含む形で成果をまとめる予定である。 さらに,1991年10月1日〜4日に京大数理研で行われた「代数幾何学シンポジウム」の主要講演者の数人に旅費の補助を行った。主にベクトル束の幾何を主題にしたこの集会の成果は,まもなく数理解析研講究録として出版される予定である。
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