研究分担者 |
谷崎 俊之 広島大学, 理学部, 教授 (70142916)
川中 宣明 大阪大学, 理学部, 教授 (10028219)
三輪 哲二 京都大学, 数理解析研, 教授 (10027386)
森田 康夫 東北大学, 理学部, 教授 (20011653)
小田 忠雄 東北大学, 理学部, 教授 (60022555)
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研究概要 |
本年度の主な成果は,次の2つのシンポジウムに集約される. (1)現象としての双対性(1992.8.4-6,函館市) (2)代数群の表現(1992.10.29-31,東北大学理学部) (1)の研究会では,数学のすべての分野を貫いて,主軸の如く出現する「双対性」という概念をめぐって,各分野の活動的な研究者に講演をお願いし,掘り下げた討論を行った。詳しくは別冊子「研究成果報告集」を参照されたいが、数論におけるゼータ関数等の関数等式が現象する双対性と,物理学における場の理論の中核をなす概念との共通性が指摘されたことが著しい。これは,未だ理論化されていない巨大な群の表現論を期待させるものである。詳細な論説集が別途出版の予定である。 (2)の研究会では,伝統的な表現論の最近の成果と今後の問題が中心課題であった。丁度来日中の3人の外国人,H.H.Andersen,D.N.Verma,時儉益の講演に加えて,この分野で活動的な我国の中堅研究者達によって,各種の成果が発表された。特に,代数群のモジュラー表現と量子群の結がり,指標層と指標サイクルに関する新しい成果,Verma加群に付随するb関数の詳しい結果が著しい。 上記以外にも,名古屋大学における研究会「量子群とその周辺」(1992.10.3-5)の成果報告集の作成に資金援助した。トレンドであるこの分野の最新成果を収めた本冊子は,多くの研究者にとって有益なものであると信ずる。
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