研究分担者 |
吉川 典彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60135423)
村上 正秀 筑波大学, 構造工学系, 助教授 (40111588)
井上 督 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (00107476)
麻生 茂 九州大学, 工学部, 助教授 (40150495)
相原 康彦 東京大学, 工学部, 教授 (90011072)
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研究概要 |
(1)乱流理論 乱流相関方程式を変数分離することで現実的な乱流一乱流予混合火炎を経験定数を含まない形に定式化することができ,その解を求めた.解は多重極ソリトンのような孤立波型でその解を全波数空間で積分して求めた乱流強度とレイノルズストレスの実験との一致は満足すべきであることが示された(柘植).波動が流れに乗って伝播する系で外乱の絶対不安定・移流型不安定を議論し,空間周期的な定常流の安定性をFloquetの定理に基づいて解析した(京藤). (2)数値流体力学 高レイノルズ数の乱流混合層問題に,渦法による非圧縮性流れ及び有限体積法による圧縮性流れの計算コードを適用し,圧縮性の効果を明らかにすると共に乱流混合層を人工的に制御する方法を提案した(井上).二次元薄層ナビエ・ストークス方程式を用いて衝撃波の壁面反射時の非定常空力加熱現象の数値予測を行い良い結果を得た(麻生).RNG代数乱流モデルを改良しGarabedian-Korn翼の空力特性問題に応用し,Baldwin-Lomaxモデルと同様の結果を得た(中村).翼の頭下げ時の渦放出を捉えるには非定常流れの乱流モデルに非平衡性を考慮する必要がある(藤井).パルスジェット燃焼の主燃焼室の解析から火炎面は自身の圧縮波とバロクリニック干渉し変形することが確かめられた(林).三次精度の多方向上流差分法を開発して,高レイノルズ数の複雑な非定常流れに適用し,その有効性を確認した(桑原). (3)実験 強い乱れの流れと燃焼反応の干渉を調べ,高圧下の伸長流れ場における消炎現象および強い剪断流によって形成される乱流場における保炎機構を実験的に明らかにした(新崗).ゲルトラー渦の遷移過程を実験的に調べ,境界層内の乱れを(i)ゲルトラー渦の横揺れ運動による大振幅の低周波乱れ,(ii)増幅に伴う二次元不安定として発生する馬蹄形渦による乱れ,(iii)乱流境界層形成時の壁面近傍の乱れに分類した(相原).画像処理を用いた流速測定法において,ストロボ発光を6ミリ秒間隔に制御し速度算出アルゴリズムとして4時刻追跡法を開発した(西川).熱カウンター流のレーザー流速計による計測から,ジェット下流域の乱流構造およびノズル出口近傍の超・常流動成分のカウンター流構造からゼロ相対流構造への遷移を明らかにした(村上).自由混合層のコヒーレント構造の発生および発達は,混合直前の平均速度分布に強く依存する.また,混合直前の乱れの導入により混合層の制御もある程度可能である(鈴木).乱流の微視的構造解明のための高空間分解能計測法を確立し,レーリー散乱によるCO_2噴流濃度計測とLIFによる火炎中OH蛍光の計測を行った(吉川).鈍いフィンおよび鋭いフィンに誘起された三次元衝撃波/乱流境界層干渉場および鈍頭物体から生じた弓形衝撃波/乱流境界層干渉場では,境界層は二次剥離および付着を生じており,またガウス分布からずれた数kHzの非定常性を持つことを明らかにした(麻生).
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