研究課題/領域番号 |
03304049
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
青木 延雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20048937)
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研究分担者 |
斉藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
大熊 稔 京都大学, 医学部, 教授 (50026986)
藏本 淳 広島大学原爆放射能医学研究所, 臨床部門, 教授 (50034070)
千谷 晃一 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (60179942)
岩永 貞昭 九州大学, 理学部, 教授 (90029942)
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キーワード | スロンボモデュリン / プロテインC / 組織因子 / プラスミノゲンアクチベ-タ-インヒビタ- / 血小板膜糖蛋白 / フオンウイルブランド因子 |
研究概要 |
研究は、主として、血栓形成の制御因子、外因系血液凝固の開始機構、血管内及線容系、血小板膜の4課題にしぼられて進められた。 1.血栓形成の制御因子:血管内皮細胞膜上の抗血栓因子スロンボモデュリン(TM)は、各種の刺激により増加するが、その増加は主として高分子型のTMの増量によることが判明した。またホモシステインによる血栓傾向の出現は、TM活性の低下が一因であることが示された。プロテインCの先天性欠損の3家系の遺伝子の異常が解明された。 2.外因系血液凝固の開始機構:組織因子のcDNAのクロ-ン化と、組織因子の酵母での発現に成功した。VII因子の糖鎖構造が解明され、機能との関係解明が進められた。 3.血管内皮線溶系:血管内皮細胞で産生分泌される組織性プラスミノゲンアクチベ-タ-(tPa)と血管内皮細胞間に存在するそのインヒビタ-(PAI‐1)との反応を解析し、tPAの特定部位とPAI‐1が活性部位を介さずに結合することを明らかにし、その領域の合成ペプチドが、tPA‐PAI結合を阻害することが示された。 4.血小板膜:血小板膜糖蛋白GPVのcDNAのクロ-ン化と構造の解析より、GPVがロイシンリッチ・リピ-ト構造を有していること、トロンビンにより迅速に水解され、血漿中にその部分蛋白が検出されることが明らかにされた。血水板が内皮下組織に粘着するのに必要な血漿因子フオンウィルブランド因子(VWF)の糖鎖構造の解析を行った。その結果、VWFにはA,B,Oの血液型抗原糖鎖構造を有するAsn型糖鎖が存在することが明らかになった。血球成分以外に血漿蛋白で血液型糖鎖が見つかった点は、輸血その他臨床において問題となると考えられる。血小板凝集の強力な促進物質スロンボキサンA_2の血小板膜受容体のクロ-ニングと精製に成功し、その抗体による解析が進められた。
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