研究課題
平成4年度に開始した絵画・彫刻関係の修理記録の入力を継続し、約1000点を超える文化財に関する修理記録を入力することができた。書籍・古文書・典籍類を中心とした調査・情報収集も行い、約300点の情報を収集できた。これらの情報を入力するにあたって、関係者間で情報の利用形態を検討し、ソフトウェア及びハードウェアに種々の改良を行うことができた。さらに、有機質文化財の経年変化の調査・記録を多くの社寺関係の協力によって行った。この調査の結果、有機質文化財とその修復材料の経年変化は、その素材・手法・環境・劣化機構などが複雑多岐にわたり、従来の主データベースの記録様式では、十分な対応が期待できないために、主データベース上に新たに、有機質文化財とその修復材料の経年変化に対する専用のデータベースを作成し、主データベースとリンクすることとした。これによって、有機質文化財とその修復材料の経年変化に関する情報を幅広く収集記録することが可能となり、データベースそのもののサイズを著しく拡大することなく主データベースとの相互補完を行うことが可能となった。