研究分担者 |
小嶋 智 名古屋大学, 理学部, 助教授 (20170243)
足立 守 名古屋大学, 理学部, 教授 (10113094)
水野 篤行 愛媛大学, 理学部, 教授 (60181898)
榊原 正幸 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80202084)
小松 正幸 愛媛大学, 理学部, 教授 (00018665)
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研究概要 |
本研究の目的は,構造帯の堆積岩・堆積岩源変成岩の化学的特徴,特に希土類元素(REE)の特徴,からその堆積・生成環境を調べようとするものである。そのためには,ICP-AES法によるREEの定量法を確立すること,堆積物・堆積岩・変成岩などの地質調査・試料採取ならびにその化学分析,現在の海洋性堆積物そのものの検討,堆積物生成過程でのREEの挙動を支配する素過程に対する考察,などが具体的課題となった。 平成3年の初年度の補助金によって,ICP発光分光分析装置(セイコーSPS-1500R型)を購入し,上記の実験的課題を検討する事が出来た。即ち,各種堆積物,堆積岩,変成岩中のREEのICP-AES分析法を確立し,本邦中・古生界の石灰岩・ドロマイト岩・石灰岩源変成岩やその他の変成岩類,先カンブリア代の堆積岩,現世生物性炭酸塩,深海マンガンノジュールなどについてそのREE・Yに着目した検討を行った。特に,本邦の構造帯の炭酸塩岩を化学的に分類し,その生成環境を堆定した。そして,この結果が,地質学・堆積学的に推定されてきている生成環境によく対応することを明らかにできた。この結果は本研究の大きな成果の一つである。同時に,希土類元素の自然界,とりわけ堆積物・堆積岩生成過程における挙動を支配する原理についても,テトラド効果の問題としてこれを追求し,従来からの考え方を根底から変更する重要な結果が得られた。そして,海洋における自生堆積物の形成に伴うREE・Yの挙動に関する実験的研究も試み,理論的研究を更に進める基礎を築いた。
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