研究課題/領域番号 |
03403021
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
市原 耿民 北海道大学, 農学部, 教授 (20000820)
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研究分担者 |
佐藤 博二 北海道大学, 農学部附属農場, 助教授 (20002074)
田原 哲士 北海道大学, 農学部, 助教授 (50001475)
吉原 照彦 北海道大学, 農学部, 助教授 (90002071)
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キーワード | 植物毒素 / 生理活性物質 / アルタナル酸 / 防御物質 / 交叉防除 |
研究概要 |
植物病害の生物有機化学的研究を展開した。 まずコムギ眼紋病菌をバレイショ-グルコ-ス培地で28日間培養し、生理活性物質を薄層バイオオ-トグラフィ-で追跡した。培養液を酢酸エチルで抽出、抽出物をメタノ-ル-クロロホルムの溶媒系で分画を試み、画分2〜5に抗菌活性のあることを確認した。またバレイショ夏疫病菌の生産する植物毒素アルタナル酸を3箇のセグメントに分け、合成を進めた。セグメントAはすでに構造研究の過程でその立体化学が推定されており、セグメントBには立体化学が無いので、もっぱらセグメントCの立体構造を確立するために、中間体の絶対配置を確認しながら、合成を進めている。またオ-チャ-ドグラスすじ葉枯病菌の生産する植物毒素を検索し、12種の化合物を単離し、構造を確定した。これらにつき生理活性を調べたところ、レタス種子の生育を阻害し、光存在下で幼根に赤褐色斑点を形成する化合物として(+)ーイソサ-コスポリンと(+)ー14ーアセチルサ-コスポリンの構造を確定した。前者は既知物質の鏡像体として初めて単離された植物毒である。一方植物の抵抗性機作解明の一環として、キショウブの重金属ストレスに対して誘導される抗菌物質として17種のイソフラボノイドを単離した。またハマナスの病原菌や害虫に対する防御物質と考えられるカロタン型セスキテルペンエンドパ-オキシド類の構造解析を行い、それらの生成様式を解明した。そのほか大豆落葉病の弱病原性菌株を接種して、大豆に誘導される抗菌物質を明らかにするため、大豆カルスを調製し、交叉防御の予備的実験を行った。さらに二、三の樹病病原菌をとりあげ、それらの培養条件、抽出操作植物毒性、抗菌活性につき検討している。
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