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1993 年度 実績報告書

ヒト骨肉腫の増殖と転移に関する基礎的・臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03404046
研究機関札幌医科大学

研究代表者

石井 清一  札幌医科大学, 医学部, 教授 (20001000)

研究分担者 小祝 聡一郎  札幌医科大学, 医学部, 講師 (90045336)
キーワード骨肉腫 / ヒト骨芽細胞株(SV-HFO) / ヒト骨中Ca結合蛋白 / オステオネクチン / 骨内シアル酸含有蛋白 / integrin beta family / ラミニン受容体 / multi drug resistance gene
研究概要

昨年、樹立に成功したヒト胎児骨頭由来の骨芽細胞株(SV-HF0)に、レチノイン酸、VitD_3、TGF-beta、デキサメサゾンを投与して、細胞分化に与える影響を分析した。in vitroでデキサメサゾン投与10日目から、細胞の周辺に石灰化が起こることを確認した。この細胞は軟寒天培養ではコロニーを形成するが、ヌードハウス移植では腫瘤の形成はみられない。ヒト骨芽細胞の多段階発癌過程を研究するのに役立つと考えられる。
ヒト骨中Ca結合蛋白(BGP)とオステオネクチンのモノクローナル抗体に続き、骨内シアル酸含有蛋白のモノクローナル抗体の作製に成功した。これらのモノクローナル抗体を用いて、ヒトの骨成長帯および骨肉腫の免疫組織染色を行った。それぞれの骨内非コラーゲン蛋白は、軟骨および骨細胞の分化の、異なった過程において出現することは興味かる事実であった。ヒト骨肉腫、軟骨肉腫の免疫染色標本と、今回得られた結果とを比較することによって、悪性骨腫瘍を分化という面から把握することを可能にした。
ヒト骨肉腫瘍と細胞周囲に存在するマトリックス蛋白との相互作用を明らかにする目的で以下の研究を行った。昨年に引き続きマトリックス受容体であるintegrin beta familyの発現と、そのligandである細胞マトリックス蛋白の分布を検索した。骨肉腫の浸潤部と肺転移巣にはラミニン受容体が発現しており、この受容体はヒト骨肉腫の局所浸潤と転移形成に密接に関与していることを示唆していた。
ヒト骨肉腫のmulti drug resistance gene1(MDR-1)と予後との関連性を分析した。18例の骨肉腫について、その遺伝子産物であるP-糖蛋白体の有無を免疫染色法で検索した。陽性を示した8例は各種抗癌剤に抵抗性を示し、陰性例に比べて無病率は低下していた。現在、mRNAレベルでの検索を行っている。MDR-1を分析することによって、骨肉腫の予後を推測できる可能性を示していた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 千葉 英樹: "ヒト正常骨・軟部組織およびヒト骨・軟骨肉腫におけるbone gla proteinとosteonectinの局在" 日整会誌. 67. 463-472 (1993)

  • [文献書誌] 和田 卓郎: "骨軟部腫瘍の基礎的研究の現状と将来の展望-分子生物学を中心として-" 関節外科. 12. 1245-1253 (1993)

  • [文献書誌] Chiba,H.: "Establishment and characterization of a simian virus 40-immortalized osteoblastic cell line from normal human bone" Jpn.J.Cancer Res.84. 290-297 (1993)

  • [文献書誌] Kawaguchi,S.: "Distribution of integrins and their matrix ligands in osteogenic sarcomas" J.Orthop.Res.11. 386-395 (1993)

  • [文献書誌] Kawaguchi,S.: "Role of the alpha subunit cytoplasmic dodmain in regulation of adhesive activity mediated by the integrin VLA-2" J.Biol.Chem.268. 16279-16285 (1993)

  • [文献書誌] Wada,T.: "Fronties of osteosarcoma research" Hogrefe & Huber Publishers, 5 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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