研究課題/領域番号 |
03451027
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
岩田 正美 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (50089968)
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研究分担者 |
橋本 明 東京都立大学, 人文学部, 助手 (40208442)
窪田 暁子 東洋大学, 社会学部, 教授 (50085924)
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キーワード | ホ-ムレス / 生活保護施設 / 福祉援助 / 生活保護行政 / 更生施設 / 宿所提供施設 |
研究概要 |
東京におけるホ-ムレス問題とそれへの福祉援助、特に生活保護施設の役割を明らかにする為に、(1)戦後の東京における保護施設及び生活保護行制の関係者からのヒヤリングを6回にわたって行った。また(2)保護施設行政と関連の深い山谷城北福祉センタ-、宿泊所(新宿荘)への訪問調査も実施した。さらに東京の福祉行政と比較を行うために、(3)大阪市保護課:大阪市更生相談所・一時保護所、西成労働福祉センタ-、大阪自彊館(保護施設)、大阪市立弘済院、大阪府立砂川厚生センタ-への訪問調査を二度にわたって実施した。 文献調査としては、東京における「浮浪」「不定居的細民」「住所不定」などと社会福祉との関係にふれた文献を戦前にまでさかのぼって収集した。また比較の上で、アメリカ、イギリスの文献も収集し、検討を行っている。以上の結果、東京におけるホ-ムレスへの社会福祉行政が昭和35年の施設再建整備計画、昭和40年の施設区移管を契機に、施設保護でもなければ、居宅保護でもない、また東京都と特別区の権限の違いの中で、宙ぶらりんであいまいなものとなっていることが明らかになった。大阪やアメリカとの違いも、ある程度検討が進んだ。 更生施設・宿所提供施設「塩崎荘」の退所者記録に基づく統計分析については、単純集計、一部クロス集計が終了し、全体的なまとめを行った。単身者と家族との違い、出生年代による違い、アルコ-ルや精神障害との関係、地域移動などについて一定の特徴が浮彫にされた。現在は類型化の作業中である。 今後は、ホ-ムレスへの福祉行政の変遷を背景に置いて、「塩崎荘」ケ-スを類型化し、福祉援助との結びつきのパタ-ンを分析し、あるべき援助のあり方を検討する予定である。
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