研究課題/領域番号 |
03451027
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
岩田 正美 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (50089968)
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研究分担者 |
橋本 明 東京都立大学, 人文学部, 助手 (40208442)
窪田 暁子 東洋大学, 社会学部, 教授 (50085924)
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キーワード | ホームレス / 生活保護施設 / 更生施設 / 宿所提供施設 / 福祉援助 / 緊急保護 |
研究概要 |
前年度行った更生施設・宿所提供施設「塩崎荘」の退所者ケース記録約3000ケースについての統計化を前提として、本年度は利用者がどのようにしてホームレス化するのか、またどのようにして保護施設と結びついたかについてのパターンを抽出し、このパターン分析と、それにそって拾いだした事例を検討した。パターン分析は、昭和27年から39年までを第I期、それ以降を第II期とし、また単身、家族を区分し、さらに孤児であったかどうかを識別した上で、学歴、初職、婚姻関係、主職、家族関係要因の有無、ホームレス化と上京との関係、直前職、直前の居住状況、の8項目の関連についてどのようなパターンがあるかを検討した。この結果、第I期は学歴不安定からスタートしたものが多いのに対して、第II期ではともかく義務教育は終了し、安定した初職を得てから、上京→居住の不安定化=不安定職ないしは無業化となって、住み込み先や飯場、病院などから施設入所に至るという典型的なパターンを描くことが見いだされた。なお未婚や離婚といった家族からの排除が媒介項としてあり、ここに疾病が絡んだときに、ホームレス化した保護対象が発生すると考えられる。 アメリカ、大阪など他都市のホームレス問題についての文献およびヒヤリングから、東京のホームレス問題への福祉援助の特徴として、責任体制の不明確化、緊急保護の不足、民間活動の弱さなどが上げられる。
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