研究課題/領域番号 |
03451027
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
岩田 正美 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (50089968)
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研究分担者 |
橋本 明 東京都立大学, 人文学部, 助手 (40208442)
窪田 暁子 東洋大学, 社会学部, 教授 (50085924)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | ホームレス / 都市の貧困 / 社会福祉 / 福祉国家 / 社会ネットワーク / 社会帰属性 / 東京 / 生活保護施設 |
研究概要 |
大都市におけるホームレス問題は、1980年代以降欧米では深刻な社会問題としてクローズアップされている。わが国では戦後の一時期を除いては、こうしたホームレス状態を伴う貧困への関心は薄らいでいるが、社会福祉の原点ともいうべきこの種の問題は、精神障害やアルコール、暴力、外国人労働者などの新しい様相をつけ加えつつ、問題自体の深刻度は増している。したがってこの問題への福祉援助は今なお重要である。 本研究では、主に次の三つの研究を行い、それぞれ重要な知見を得た。 (1)主に住居の無い人への生活保護施設である「塩崎荘」の昭和27年から昭和60年までの退所者の全ケースの分析を通じて、戦後東京におけるホームレス問題の形成プロセスについての検討を行った。この結果、非婚か離婚、失業・倒産、地方からの移住、病気といった要素がホームレスの形成の原因であり、この結果、ホームレスの人々は社会のネットワークの外にあること、社会的帰属性を失っていることが明きらかである。 (2)戦後東京のホームレス状態を伴う貧困への社会福祉の歴史分析を行い、福祉国家の普遍主義、自治体への権限委譲による地域福祉の展開が、逆にホームレスへの援助を行いにくくし、それへの援助が例外的、一時的になっている傾向を指摘した。生活保護の適用は疾病時、高齢時に限定され、あとは法外援護による一時的サービスのみとなっており、普通の生活へ持ち上げるサービスは開発されていない。 (3)深刻なホームレス問題をかかえるニュヨ-ク市におけるホームレス問題と展開と福祉政策についての歴史的検討を行い、東京と比較した。
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