研究概要 |
本年度は,GeとAgの表面エレクトロマイグレ-ションの実験および,清浄な(III)面での通電効果の実験を行った。 GeはSiと同じ周期律表のコラムに属するので,そのマイグレ-ションの実験を行った。結果は電流方向に移動するのを観察した。これはSAMによる安永らの結果と同じであり,Si原αも清浄表面で電流方向に移動している可能性が示唆される。 Agの表面エレクトロマイグレ-ションは他の金属と異り,表面ステップに著しく影響される。ステップに沿っては動きやすいが,ステップと直交する方向には大変おそい。われわれはSi清浄面とGeで覆ったSi表面とで比較した。その結果動く方向やアイグレ-ションで生じる吸着構造は同じであるにも拘らず,その早さは同じ表面で行うと2桁位Geで変質させた表面上で早かった。AgはGeやInと同様吸着構造上を早く移動し,清浄面上では顕著な移動は認められなかった。表面を変質させた効果がこのように顕著に観察されることは興味深く,マイグレ-ションの原因を探る上で貴重な成果と云える。 清浄面での観察では,ステップのバンテングに及ぼす電流効果が7×7と1×1構造で異ることを見い出した。又透過法でも電流効果が研究可能であることを見い出した。 一方今年度は,傍熱型の反射ホルダ-を設計製作し,また,交流加熱用の特殊電源も製作した。これらを使って本格的な研究が行える。
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