研究課題/領域番号 |
03453040
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
赤岩 英夫 群馬大学, 工学部, 教授 (60008414)
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研究分担者 |
相沢 省一 群馬大学, 工学部, 助手 (20008527)
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 助教授 (30175468)
川本 博 群馬大学, 工学部, 助教授 (20008460)
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キーワード | 銅(II)錯化容量 / Chelexカラム / lability / 天然水 |
研究概要 |
天然水中の銅(II)のlabilityを測定する方法としてChelexカラム法を開発した。この方法の原理はChelexカラムへのCu^<2+>の吸着速度が、銅(II)錯体を形成する配位子の存在によって減少する現象を利用したものである:天然水中に既知量のCu^<2+>(=C_o mol dm^<-3>)を加えて、これをChelexカラムに流入させ、流出液中の銅(II)濃度(=C mol dm^<-3>)と空間時間(=T_S)を測定し下式よりCu^<2+>の吸着速度定数K_<obs>を求める。ただしX=g/C_oである。配位子が存在しない場合のK_<obs>をK_oとして天然水について求めたK_<obs>の値をK_<obs>/K_oに換算して、この値を天然水中の銅(II)のlabilityの相対的な尺度とした。 t=1/(K_<obs>)1n1/(1ーX) ニトリロトリ酢酸をモデル配位子として検討し、K_<obs>/K_oの値が銅(II)のlabilityの相対的な尺度として有用であることを確認した後、本法を桐生川河川水に応用した。その結果K_<obs>/K_oの値は河川水中の全有機炭素濃度(TOC)とOH^-濃度によって支配されており、次の関係があることが見いだした。 1og(K_<obs>)/(K_o)=K_1[TOC]+K_2[OH^-] ただし、K_1およびK_2はそれぞれ定数である。上式を基にしてK_<obs>/K_oの日内変化を調査した結果、水質は昼型と夜型に分類された。夜型の河川水では天然配位子がCu^<2+>を錯化しているのに対して、昼型のそれには人間の生活活動に由来する配位子が含まれていると推定される。なお、計算によればOH^-は重要な配位子ではなく、OH^-と行動を共にする何らかの配位子がCu^<2+>の錯化剤として重要な役割をしていると考えられる。TOCに含まれる成分のうち、重要な配位子は結合アミノ酸と遊離アミノ酸であると推定しているが、その詳細については来年度検討する予定である。
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