研究概要 |
1.蛹期の保護温度(25℃)を一時的に低温状態(10℃)で保護した場合、雌個体が産下した卵の中から灰色卵に類似した卵を見出した.そこで保存系統の中から63系統を用いてスクリ-ニングを行った結果、感受性系統として14,抵抗性系統として49の系統を選抜した.抵抗性と感受性系統間における交雑実験の結果から、低温処理により誘発された灰白卵様となる形質は、1劣性遺伝子によって支配されていることを明らかにした.各染色体を代表する遺伝子との間で広く連関分析を行った結果,18の連関群については全く独立であった.残り10の連関群については検索中である. 2.灰色卵誘発に対する処理温度として0℃〜15℃が有効であること、18℃以上30℃までの温度に対してはなんら反応はみられないことを明らかにした.本形質について、既知灰色卵は産下されたすべての卵について卵全面にわたり灰色状となるのに対して、誘発灰色卵は卵殻全面にわたって灰色様を呈するものからモザイク状あるいは斑点状を呈するものまで種々の変異が有ること,産下卵中数%〜10数%の卵のみが灰色様となることを明きらかにした. 3.誘発された灰色卵の卵殻には特異な構造が認められたので更に詳細な観察を、特に種々の変異が認められるそれらについて観察中である.卵殻断面に正常卵では見られない特異構造が観察されれた.
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