研究概要 |
1.雌蛹を一時的に低温状態(10℃)で保護すると、低温処理を受けた成虫は灰色卵に類似した卵を産下する。この低温処理により誘発される灰色卵様形質は,1劣性遺伝子によって支配されていることを見出したので昨年(平成3年)に引き続き当該遺伝子の連関分析を行った結果,24の連関群については全て独立である結果を得た。残り第5,16,19,25の4連関群については検索中であり,平成5年度中に分析を終了し,座位の決定を行う予定である。 2.誘発灰色卵は産下卵中数%〜10数%の卵のみが灰色様となるが,低温処理時期が蛹期初期(蛹1〜3日)と後期(蛹8〜10日)とにおいては誘発率が低く,蛹中期(蛹5と6日)において最も高くなることを明らかにした。 3.誘発灰色卵の表面構造には卵の前極と後極部,背面と腹面部および側面部いずれの部位においても全く異常は認められなかった。しかしながら,卵殻の断面構造には正常卵では見られない特異構造が観察され,特に卵殻中層において層状構造に大きな乱れが生じていることを明らかにした。
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