研究概要 |
ニワトリの下垂体前葉細胞に性腺刺激ホルモン放出ホルモンの受容体が存在することが明らかとなり、またこの受容体の解離定数及び結合能(最大結合部位数)は休産鶏よりも産卵鶏の方が大きいこと,休産鶏にプロジェステロン,エストラジオ-ル17β,又は5αジヒドロテストステロンを投与すると増加すること,さらに産卵鶏では排卵周期中に性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモン)の放出が行われているとみなされている時期に顕著な減少を示すことが明らかとなった。 ニワトリの下垂体前葉細胞に存在するプロジェステロン受容体の結合能は,生体外培養下のエストラジオ-ル17β処理によって増加すること、またこの増加はシクロヘキシミド,アクチノマイシンD,又はαアマニチンの処理によって阻止されることが明らかにされ,エストロジェンのブロジェステロン受容体結合能増加作用は蛋白合成系を介することが明らかとなった。 ニワトリの下垂体前葉細胞を生体外で培養した場合の細胞内黄体形成ホルモン量は、予めエストラジオ-ル17βで処理し,次いでプロジェステロン処理を行うと増加し、しかもこの増加はプロジェステロンの量に依存すること、また、シクロヘキシミド,アクチノマイシンD,又はαアマニチンの処理によって阻止されることが明らかとなり、エストロジェンで処理された下垂体前葉細胞における黄体形成ホルモンの生産はプロジェステロンの蛋白合成系を介する作用によって促進されることが明らかとなった。
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