研究課題/領域番号 |
03454182
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹田 美文 京都大学, 医学部, 教授 (30029772)
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研究分担者 |
山崎 伸二 京都大学, 医学部, 助手 (70221653)
西渕 光昭 京都大学, 医学部, 助教授 (50189304)
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キーワード | 腸管出血性大腸菌 / Vero毒素 / 腸炎ビブリオ / 耐熱性溶血毒 / 部位特異変異法 / 変異毒素 |
研究概要 |
腸管感染症菌が産生する下痢原因毒素は、コレラ毒素をはじめ毒素原性大腸菌の易熱性エンテロトキシンと耐熱性エンテロトキシンなどその構造と作用相関が詳細に研究されている。構造と作用相関の研究は、作用に関与する構造を同定することにより、毒素の無毒変異体を遺伝学的に作成することを可能とし、ひいては感染防御のための防御抗原の調製を可能とする。 本研究は、腸管感染症菌の産生する蛋白毒素のうち、致死活性が証明されている腸管出血性大腸菌のVero毒素と腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒について、作用に関与する構造を同定し、遺伝学的手法により無毒変異体を作成することを目的として行った。 まず腸管出血性大腸菌のVero毒素については、RNA Nーグリコシダ-ゼの活性中心を同定し、その部位に存在する2種類のアミノ酸、すなわち、VT1のAサブユニットのN末端から167番目のグルタミン酸と170番目のアルギニンの単一アミノ酸置換体を部位特異変異法によって作成し、作成した変異体が野生型毒素に比べて1/200〜1/400以下の活性しか持たないことを証明した。 腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒については、すでに遺伝子構造が明らかになっている6種類の類似毒素のアミノ酸一次構造を比較し、25種類の変異毒素を部位特異変異法によって作成した。その結果、N末端より65番目のトリプトファンと66番目のロイシンの単一アミノ酸置換体は溶血活性が顕著に減少し無毒化していることを明らかにした。
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