研究課題/領域番号 |
03454480
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
花田 晃治 新潟大学, 歯学部, 教授 (90013979)
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研究分担者 |
澤端 喜明 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (60206026)
原 省司 新潟大学, 歯学部, 助手 (80208652)
森田 修一 新潟大学, 歯学部附属病院, 講師 (60157899)
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キーワード | 下顎側方偏位 / 正貌セファログラム / 下顎前方運動 / 矢状顆路 / アキシオグラフ / 軸位X線規格写真 |
研究概要 |
前年度は、正貌セファログラムとアキシオグラフを用いて、下顎偏位症例における顆頭運動を評価した結果、偏位側、および非偏位側で異なった運動経路を持つ傾向があることを明らかにした。今年度は、軸位X線規格写真を用いて、下顎偏位置と左右顆頭の位置、左右顆頭の顆頭長軸角、ならびに下顎前方運動時における左右顆頭の運動経路との関係について検討した。その結果、1.偏位側顆頭の顆頭長軸角が非偏位側顆頭の顆頭長軸角よりも小さく、しかも下顎偏位度が大きくなるに従い、その差もより大きくなる傾向がある、2.偏位側顆頭が非偏位側顆頭よりも後方に位置し、下顎偏位度が大きくなるに従いその差もより大きくなる傾向がある、3.顆頭長軸角左右差と下顎運動の2mm、3mm、5mm時の矢状顆路角左右差、顆頭運動距離左右差、顆路湾曲度左右差との間に5%レベルで有意な相関がある、ことが明らかになった。以上のことから、このような形態的左右差が下顎運動の非対称性と関連していることが示唆された。さらに、前歯部下正咬合を有する若年者の矯正治療前後における顆頭運動の変化について検討した。その結果、前歯部の咬合干渉を除去することにより顎運動が調和の取れたものに変化することが明らかになった。 以上のように、本研究では、下顎偏位症例では顎顔面の骨格形態や軟組織に非対称を示すばかりではなく、機能的にも非対称性がみられることが明かになった。さらに矯正治療によって顎運動が変化する可能性も明らかとなったが、実質1年間の経過しか追跡することができなかったため、今後長期に渡る追跡調査を行い、矯正治療が及ぼす影響について検討する必要があると考えられる。
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