研究課題/領域番号 |
03454530
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松代 愛三 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00029753)
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研究分担者 |
森田 隆 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70150349)
島田 和典 大阪大学, 微生物病研究所, 教授
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キーワード | 相同組換え / Rad51 / RecA / マウス / 細胞周期 / 実験動物 |
研究概要 |
最近、相同組換え系を使って解析したい遺伝子を破壊するジーン・ターゲティング法により遺伝子機能解析が始まったが、マウス体細胞では相同組換えの頻度が低く、この系を能率よく動かせる状況に至っていない。この研究の目的は、マウスの相同組換え酵素の遺伝子をクローニングし、高頻度に相同組換えを行なう系を確立して、それに基づく遺伝子改変マウスの作成を能率よく起こさせることにある。 実際に哺乳動物など高等真核生物では減数分裂期に相同組換えが起こることはよく知られているが、分子レベルでの解析、特にそれに関与する酵素や遺伝子の存在についてはほとんど知られていない。そこで酵母の相同組換えに関与するRAD51遺伝子のホモローグが哺乳動物などにも存在すると考え、ヒトおよびマウスcDNAライブラリーからそれぞれ完全長のRad51cDNAを単離した。その性貭を調べた結果、マウスやヒトRad51遺伝子は出芽酵母RAD51や大腸菌RecAタンパクと高い相同性をもつタンパクをコードしていることが明らかとなり、哺乳動物を含む脊椎動物に広くRecA様の相同組換え遺伝子が存在することを示した。またRad51遺伝子の発現は胸腺、脾臓、精巣、卵巣、小腸など分裂の盛んな免疫系や生殖系の細胞で起こること、さらに培養細胞を用いた実験からその発現が細胞周期依存的であることを明らかにし、この遺伝子が有糸分裂期のDNA修復や減数分裂期の組換えに関与していることを示唆した。
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