研究課題/領域番号 |
03454530
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
|
研究機関 | 近畿大学 (1993) 大阪大学 (1991-1992) |
研究代表者 |
松代 愛三 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (00029753)
|
研究分担者 |
島田 和典 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (40037354)
森田 隆 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70150349)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
キーワード | 相同組換え / RecA / 高等真核生物 / DNA修復 / モデル動物 |
研究概要 |
哺乳動物において既に多くの遺伝子が単離され、その塩基配列や細胞内での発現機構などが明らかにされている。しかしそれらが生体内で持つ機能の解析は難しい。このような問題を扱う上で近年gene targetingなどある遺伝子を改変した遺伝子と置換する技術が開発され、できた個体の異常から逆にそれらの遺伝子の機能を知るという方法が試みられるようになり、種々の遺伝子機能を系統的に解析していくことができると考えられる。このような遺伝子改変を行うために、哺乳動物で高頻度の相同組換えが容易に行える系の開発が望まれる。 哺乳動物など高等真核生物では減数分裂期に相同組換えが起こることはよく知られているが、分子レベルでの解析、特にそれに関与する酵素や遺伝子の存在についてはほとんど知られていない。我々は大腸菌および酵母において相同組換えに関与することが知られているRecAおよびRad51遺伝子のホモローグをヒトおよびマウスからクローニングした。その結果、マウスRad51遺伝子は339アミノ酸からなるタンパクをコードし、その配列は出芽酵母と約83%、また大腸菌のRecA遺伝子とは55%のホモロジーをもち、その構造が進化的にもよく保存されていることが明らかとなった。この遺伝子はマウスの胸腺、精巣、卵巣または小腸など細胞分裂の盛んな組織で多く発現しており、有糸分裂時のDNA修復に関与していると考えられる。このようにヒト、マウスRed51遺伝子が単離されたことは、相同組換えに関して哺乳動物においても酵母と相同な遺伝子が存在するとともにその機構も共通である可能性を示しており、両者の解析を進めることにより、目的をした高頻度相同組換え系の確立が可能であることを明らかにした。
|