研究課題/領域番号 |
03554026
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
井上 康則 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (50092143)
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研究分担者 |
真鍋 勝司 横浜市大学, 文理学部, 教授 (10112484)
門田 明雄 東京都立大学, 理学部, 助教授 (60152758)
浜口 宏夫 神奈川科学技術アカデミー, 室長 (00092297)
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キーワード | 蛍光スペクトル / 光反応中間体 / 光変換過程 / フィトクロム |
研究概要 |
1.モデル物資としてフィトクロム類似の吸収波長を持つオキサジン720の溶液を用い、蛍光の量を調べたところ濃度との間でで直線性が認められ、作成した装置が蛍光定量に充分耐えることが明かとなった。 2.単離エンドウフィトクロムの75%溶液を、厚さ0.9mmの特製キュベットに3mu1入れ-20℃に保ち、Prとmeta‐Rcの間での蛍光強度変化を測定したところ、666nmの吸光度換算で0.00048までは検出できた。この感度は従来の吸収変化による方法の倍の値であり、必要なサンプル量は1/300以下である。 3.2.で一応従来に方法を越える測定限界とサンプル量を達成できたが、まだ性能的には不十分であるので、試料をさらに冷却して蛍光の絶対強度を高めることを試みた。試料を-140℃に冷却しPrとlumi‐Rの間での蛍光強度変化を測定したところ、666nmの吸光度換算で0.0001まで検出可能であった。この値は吸収変化による方法の10倍の値で、この段階でひとまず、従来の方法を越える測定方法を確立することができた。 4.3.で感度の下限を規定しているのは蛍光強度のばらつきである。そこで、測定光のばらつきを補正するための光量積算回路を作成したが、この補正回路の出力のばらつきは蛍光強度のばらつきより少なく、蛍光強度のばらつきの原因は冷却ステージの結露や位置のずれに起因していると考えられ、この点の改良が必要となる。 5.感度を上げるための方策として、信号強度を上げることが必須である。そこで、発想を転換して、生じた蛍光を全波長域で測定することを試みた結果、蛍光強度差は10倍に上昇した。さらに、測定時間を光変換が起こるのを無視して長時間にすると、60秒間の測定で3秒間測定の約8倍の蛍光強度差を得ることが可能となった。 6.今後5.の方法で単離フィトクロムを用いて蛍光による検出限界を確かめ、植物組織に応用して行く。
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