研究課題/領域番号 |
03555061
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新宮原 正三 広島大学, 工学部, 助教授 (10231367)
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研究分担者 |
金子 尚史 東芝, 総合研究所, 研究主務
坂上 弘之 広島大学, 工学部, 助手 (50221263)
進藤 春雄 広島大学, 工学部, 講師 (20034407)
堀池 靖浩 広島大学, 工学部, 教授 (20209274)
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キーワード | エレクトロマイグレ-ション / マイクロ波プラズマ / 金属薄膜 / CuAl合金 / 表面拡散 / アルミニウム / スパッタリング |
研究概要 |
エレクトロマイグレ-ション(EM)素過程の解明において、一般に広く超LSIに用いられているAl-Cu合金配線において、CuAl_2析出合金が陽極側へ移動する現象を走査電子顕微鏡観察により見いだし、活性化エネルギ-0.73eVの熱活性過程であることを明かにした。また信頼性上で大きな問題となるボイド形成が析出合金の陰極側で起き、その原因はAlとAlCu合金とでのEM原子流束の相違に起因する原子流束発散であることを示した。さらにシリコン上での表面エレクトロマイグレ-ションを走査電子顕微鏡その場観察により調べ、定電圧パルスを与えた場合にはある臨界値以上でマクロな原子移動が起き、またこの現象を利用した抵抗変化素子の構成が可能であることを示した。 電子サイクロトロン二倍共鳴(2B)モ-ドによるAlスパッタ法においては、Al膜(111)結晶配向性が基板温度を低くすると著しく向上することを見いだし、基板温度-120℃にて基板に負バイアスを加える事により、(111)ロッキングカ-ブの半値幅が2.5度程度と極めて揃った良質の(111)配向膜が形成される事を確認した。また直径0.5μm、深さ1.5μmの高アスペクト比トレンチ埋め込みが従来技術よりもはるかに低い基板温度300℃で達成された。Alイオン化率が約60%と高いために、基板浮遊電位での入射イオン衝撃による表面拡散活性化が埋め込みに大きな役割を演じていることを実験的に検証した。今後は結晶配向性及び膜中不純物とEM特性との相関、及び微細コンタクトへの埋め込み及びコンタクトEM特性を詳細に調べていく予定である。またSTM/AFMによるEMその場観察を行い、原子レベルでのEM機構を明らかにしていく。
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