研究概要 |
本研究では,移植性の高い高性能な図面認識プログラムを半自動的に合成する支援システム(図面理解コンパイラ)を開発することを目的とする。具体的には,大規模画像を輪郭線ベクトル(記号デ-タ)に変換し,工夫したパタ-ン用デ-タ構造上で形状抽出,認識レベルの上昇を段階的に行う図面処理基本ソフトウェアを用意し,次に認識レベルの上昇部は,個々の図面種・品質に対応して提供された状態遷移図型の認識シナリオに従って自動的に制御される,という枠組みを持つシステムの開発と実用化をめざした. 本年度は,以下の各課題により移植性の高い図面認識コンパイラの基本システムを開発した.即ち, (1)図面認識コンパイラの基本設計:研究代表者らが既に開発した純ソフトウェアベ-スの大規模図面画像処理方式を拡張,一般化した処理のための構造と,図面の種類に依存する認識ル-ルを状態遷移図で汎用的に記述し(機械設計図等では構造情報を補助的に記述する手段を併用して),それを直接実行する形の,認識の汎用化のための構造とを結合した図面認識コンパイラを設計した. (2)図面認識コンパイラの基本部分の実装:本年度購入したワ-クステ-ション(SUM4/75)を中心とする実験システム上に,(1)基本設計に従って図面認識コンパイラシステムの基本部分を汎用言語(C言語約9000行,一部Prolog5000行)を用いて,移植性を考慮しつつ実装した. (3)図面認識コンパイラの基本動作の実証と評価:代表的な図面種として,国土基本地図と機械部品図,同組み立て図を選び,(2)で基本部分が実装されたシステムの動作を実験し,記述性,動作性能,認識結果を評価した.
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