研究分担者 |
菅田 紀之 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (80187632)
三上 隆 北海道大学, 工学部, 助教授 (00002303)
中野 修 開発土木研究所, 室長
岸 徳光 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (30153076)
大沼 博志 電力中央研究所, 部長
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研究概要 |
最近社会産業活動の発展に伴い,悪条件下での産業基盤整備が要求されるようになり,その一つとして山岳急峻な地域での各種交通施設の整備に必要となる落石覆工構造物があるが,本研究はこれの衝撃挙動を検討するとともに,効果的な緩衝構造を開発することを目的としたものである。本年度は,まず各種緩衝構造の緩衝特性を検討するため,敷砂や発泡スチロ-ルを緩衝材として用い,重錘自由落下による衝撃実験を行ない,落錘の衝撃力や緩衝材を伝播して構造物に作用する伝達衝撃力について詳細に検討した。 実験は,基礎的なものとして広さ1.5m×1.5m規模の剛基礎上又はRC,DC床板上の緩衝構造の性能実験及び,実証実験として4.0m×4.0m規模の屋外実験を行なった。これらの実験をもとに,合理的な緩衝構造として開発した,砂,RC床板,発泡スチロ-ルを組せた三層緩衝構造の性能実験も行なっている。 また,三層緩衝構造の緩衝特性を理論的に検証するために,緩衝構造及び覆工構造物をモデル化し,衝撃応答解析を行なっている。これらの研究により本年度得られた成果を列挙すれば次のようである。 1)緩衝構造を介して構造物本体に伝えられる伝達衝撃力は新たに開発された衝撃圧力計によりかなりの精度で測定することが出来た。 2)敷砂を緩衝材としたときの伝達衝撃圧力は,落石便覧式に近い。 3)敷砂による衝撃力分散効果はあまり期待出来ない。 4)発泡スチロ-ルを緩衝材とする場合,スチロ-ル厚を相当とらないと緩衝効果を期待出来ず,また分散性はほとんど期待出来ない。 5)砂,RC床板と発泡スチロ-ルなどの新素材を組合せた三層緩衝構造は,衝撃力を原材のRC床板で受けこの剛性により衝撃力を広く分散させるとともにスチロ-ル等で吸収し伝達圧力をかなり減少させる。
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