研究概要 |
固体電解質としてプロトン導電体である5mol%Yb_2O_3-SrCeO_3を用いる高温型水素検出器の開発を進め,本年度は以下の成果を得た。(1)昨年度燒結した白金ペーストが安定な比較電極となることを見出したので,本年度はさらに燒結条件を確立した。 (2)対極,作用極ともに白金ペーストを使用しているが,(1)で確立した燒結条件で満足な作動を示すことを確認した。 (3)アルミナ製スペーサと実装置では圧力容益となる鋼板との接着剤として昨年度アモルファス銅ろうを使用して真空中923Kで封着する方法を見出した。本年度はこの方法を適用して長期の安定性を調べた結果,充分使用に耐えることを確認した。 (4)(1)〜(3)により,高温型水素検出器が一応構成できることとなった。そこで試作品を組立て,773Kで1aTm H_2と10%H_2を含むAr雰囲気中とを繰反しながら半年間の長期連続測定を実施した。その結果,水素透過係数,水素含有量,水素拡散係数ともに安定した一定値が得られた。しかも,これらの値は文献値とも良い一致を示した。したがって,一応高温型水素検出器の完成を見た。しかしながら,アルミナ製スペーサ中に残存する空気(酸素)が時には測定の邪魔をするので,その除去方法を検討する必要がある。 (5)演算増幅器を用いた回路を試作し,(4)の実験を使用し,充分使えることを確認した。今後,実プラントへの装置を考え,電池で作動する電子回路部を試作する予定である。
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