研究課題/領域番号 |
03555194
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中浜 精一 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016410)
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研究分担者 |
山内 伸一 三菱油化(株), 高分子基礎研究所, 主任研究員
市原 祥次 三菱油化(株), 物性分析研究所, 所長
竹中 克彦 東京工業大学, 工学部, 助手 (30188205)
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キーワード | ブロック共重合体 / アルコキシシリル化ブタジエン / 電子顕微鏡観察 / シリカ / シリル化ポリオレフィン / アニオンリビング重合 / 表面改質 |
研究概要 |
・シリル化ポリオレフィンを含むシリカ/LLDPE複合体の調製と表面改質能の評価 前年度に引続き、アルコキシシリル基を有するセグメントとポリオレフィンセグメントからなるブロック共重合体(以下シリル化ポリオレフィンと略す)と、代表的な無機充填剤であるシリカ粒子の親和性を分子レベルで評価することを目的として、ゾル-ゲル法で調製したシリカ粒子/LLDPEの2成分混合系およびこれにシリル化ポリオレフィンを加えた3成分混合系からなる複合体フィルムを調製し、破断面の走査電子顕微鏡観察、溶媒抽出による複合体フィルムからのシリカ粒子の洗い出しを行って、シリル化ポリオレフィンの表面改質能を評価した。180℃で混練りを行うことによりシリカ粒子の表面はシリル化ポリオレフィンとシリカ粒子との縮合反応によりLLDPE類似セグメントで被われると考えられる。この3成分混合系フィルムをLLDPEとシリル化ポリオレフィンの共通溶媒である熱オルトジクロロベンゼンに浸漬して可溶分を洗いだし、残ったシリカ粒子の形状を走査電子顕微鏡を用いて観察した。その結果、予想通りシリカ粒子の表面には溶媒不溶のポリマーが付着していた。次に、シリカ粒子表面とシリル化ポリオレフィンが実際に反応しているかどうかをスペクトル的に調べることを目的として、LLDPEをを含まない2成分混合系において加熱前後でのIRスペクトルの測定を行ったところ、加熱後はシロキサン結合が増加していることが差スペクトル中から観察された。これの結果から、シリカ粒子表面のシラノール基とシリル化ポリオレフィン中のアルコキシシリル基とが加水分解-縮合によりシロキサン結合を形成し、シリカ表面にポリマーが固定化されていることが明かになった。
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