研究課題/領域番号 |
03557002
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡戸 信男 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (50060140)
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研究分担者 |
細谷 安彦 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (60100145)
工藤 典雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (60014239)
林 英生 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40033203)
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キーワード | 細菌毒素 / 神経標識法 / ガングリオシド / ラテックスビーズ |
研究概要 |
細菌毒素による神経標識法は極めて高感度であるという利点の反面、極僅かな漏れによっても目的とするニューロン以外の構造を標識する欠点があった。この欠点を克服することを目的として細菌毒素の利用技術にかんする検討を行った。細菌毒素を注入した部位に長くとどめて置くためにラテックスビーズ(LB)にコレラ毒素(CT)を吸着する方法を試みた。直径0.126μmのLBの2%溶液と0.001%CT溶液を混和し、その後15000gで20分遠心してLB-LT複合体を作った。これを筋に注入し脊髄運動ニューロンを逆行性に標識することによりLB-LTの標識能を調べた。LT単独では孵化直後のニワトリの後腸頚骨筋に0.1%10μmlを注入すると最も良い標識結果が得られる。しかし20μmlでは注入部位からの漏れにより他の運動ニューロンプールも標識されていた。これに対してLB-CTでは僅か2μmlで十分な標識結果が得られ、かつ50μmlでも他の筋への漏れはなかった。細菌毒素のうち神経標識に使用可能なものを調べるために、これまで赤痢菌ベロトキシン、破傷風菌毒素、ボツリヌス菌毒素に付いて神経標識能を検討したが、何れもCTまたは易熱性大腸菌毒素(LT)のように神経標識に使用することは不可能であることが解った。CT,LTは何れもGM1ガングリオシドに親和性があることから、同様の特性を有する黄色ブドウ球菌毒素(AT)が神経標識に利用できると考え、ATの大腸菌による大量発現を試みた。しかし原因は不明であるが発現することはできず、オープンカラムによるATの分離・精製を試みている。
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