研究課題/領域番号 |
03557058
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (60028595)
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研究分担者 |
鬼頭 義次 国立循環器病センター病院, 心臓外科, 部長
木下 正之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (00183301)
阿久津 哲造 金沢医科大学, 教授 (40150221)
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (60155752)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00142183)
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キーワード | 一体型心肺補助装置 / 呼吸不全 / 心肺不全 / 長期使用人工肺 / ECMO / 心肺移植 / ブリッジ使用 / 抗血栓性表面処理 |
研究概要 |
本年度は、以下の5項目について検討を行った。1)システムに要求される性能の検討:臨床にて蓄積された心肺不全患者の必要血流量及びガス容量のデ-タの解析から、システムに要求される性能の検討を行い、ポンプ拍出量で最大7L/min、ガス交換容量で250ml/minをシステムの目標性能基準として設定した。2)人工肺部及び人工心臓部の規格の決定・モジュ-ルの試作:上述の性能基準から、ポンプ容量70ml、ガス交換面積0.8m^2を人工心臓部及び人工肺部の製作規格として設定し、これらの規格に基づいて各部モジュ-ルの試作を行った。人工心臓部は、医用セグメント化ポリウレタン製のプッシャ-プレイト型ポンプとし、流入出部2個のポンプ構成とした。人工肺部には、血漿漏出の起こらない三層構造複合膜を採用し、これを用いた中空糸を血流と直行する方向に、また層々の中空糸もそれぞれ直行する様にアレンジし、モジュ-ル化を行った。3)各部の性能評価:ポンプ部、人工肺部の性能を模擬循環回路及び動物実験にてそれぞれ評価した。ポンプの拍出量は、後負荷90mmHg、前負荷5mmHgにて片側最大6L/minであり、左右同期駆動時の総拍出量は12L/minと満足の行くものであった。人工肺部のガス交換能は、血流量3L/minの条件下で、酸素添加能=90ml/min、炭酸ガス除去能=70ml/minとやや性能不足かと考えられた。4)一体化システムの設計と試作:システム全体としての至適血流配分という観点から、人工肺部のハウジングの廃止、円筒型ポッティング等に特徴を有する一体化モジュ-ルの設計・試作を行った。5)システムの性能評価:体重30kgの山羊で、心肺停止モデルを作成し、試作した一体化モジュ-ルを用いての心肺補助効果を検討した。システムの駆動によって、6時間にわたって実験動物の血圧、動脈血ガス分圧は正常に保たれ、試作システムは、少なくとも30kgの実験動物の心肺補助においては充分な性能を有するものと判断した。
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