研究課題
試験研究(B)
教育用Mind5.5版のうちの対話モードをいきなり子供達に使用して、その効果を調査するつもりでいたが、実際に予備的に使用してみると、なお困難な点が数多くあることが明かとなった。そのために、より使用しやすいようなユティリティ・プログラムを開発する必要に迫られた。Mind言語のプリミティブ命令だけの使用であると、描画なども全て言語による命令として記述しなければならない。そうすると表現したい図形を自由に描くためには、かなりのプログラミング能力と時間とが要求される。中学生段階では、描画にたいして強い興味を示すが、従来の「お絵描ソフト」では、単なる描画に終わってしまい、コンピュータの機能を理解することができない。そこでこの両者を統合するために文章を作成するワープロ機能と、図形を作成するためのソフトを開発し、作成された文章や図形を操作するためにプログラムを作成するという枠組みを開発した。その結果として「Mind WAVE」のパッケージが市販されることとなった。しかし、開発したシステムでは、文章画面や図形画面をプログラムで操作できるようになっていたが、プログラミングをする過程が複雑であった。教師による教材作成には適していても、生徒が使うには不便である。平成4年度では、中学生でも簡単に扱えるように画面を樹状構造にあらかじめ作成し、それを挿入、削除、移動、復写など柔軟に編集できるように統合化したシステム「Mind TREE」を開発した。また、中学校において簡単なプログラミングを実施して、BASIC言語の使用と比較した結果、日本語によるプログラミングの方が親しみやすいとの結果が得られた。今後の課題としては、この「Mind TREE」を中学生に使用しやすいように改善しそのときの効果についての研究が必要である。
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