研究課題/領域番号 |
03640048
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今西 英器 京都大学, 教養部, 教授 (90025411)
|
研究分担者 |
畑 政義 京都大学, 教養部, 助教授 (40156336)
行者 明彦 京都大学, 教養部, 助教授 (50116026)
藤木 明 京都大学, 教養部, 助教授 (80027383)
旦代 晃一 京都大学, 教養部, 教授 (90026732)
武内 章 京都大学, 教養部, 教授 (40026761)
|
キーワード | ケ-ラ-多様体 / ハイバ-ケ-ラ-空間 / モジュライ / ラドン変換 / 不変微分作用素 |
研究概要 |
本研究では多様体上の大域的な幾何学的構造について多面的な研究がなされ、現在までの成果は研究分担者の藤木・旦代により5編の論文にまとめられている。以下論文リストの順に解説する。[1]では、コンパクトなケ-ラ-多様体の基本群から複素破約第数群への表現全体の同値類の空間Mには、複素乗法群の特殊な作用をもつハイパ-・ケ-ラ-空間の構造が入ることが示され、対応するCalabi族では、一般ファイバ-はMと同型であり、特殊ファイバ-はHitchin対応により、上の表現に対応するHiggs束のモジュライ空間と同型になる事が示されている。[2]では、線織多様体の上の極値的なケ-ラ-計量について、いくつかの場合に、その存在と一意性のための必要十分条件が求められており、モジュライ問題の観点からも、存在と一意性の間に一般的に興味ある関連が存在することが示されている。[3]では、コンパクト複素多様体のザリスキ開集合であるケ-ラ-多様体とその上の正則エルミ-トベクトル束について、適当な条件の下でL^2 Dolbeault補題が示され、その応用として、階数1の局所有界対称領域のtoroidalコンパクト化の変形に関する剛性と、上のようなザリスキ開集合上に負のスカラ-曲率をもつケ-ラ-・アインシュタイン計量が存在するための従来の十分条件が必要条件でもあることが示されている。[4],[5]ではそれぞれ、n次元球面と複素射影空間について、これらをグラスマン多様体として扱うことにより、その上のあるテンソル微分作用素の固有分解が求められ、ラドン変換を媒体として、これらの上の不変微分作用素環の生成元の固有分解が求められている。
|