研究課題/領域番号 |
03650436
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
黒田 勝彦 熊本大学, 工学部, 教授 (20026157)
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研究分担者 |
飯田 克弘 京都大学, 工学部, 助手 (70222809)
安藤 朝夫 熊本大学, 工学部, 助教授 (80159524)
秋吉 卓 熊本大学, 工学部, 教授 (60040383)
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キーワード | 維持 / 管理 / 更新計画 / 港湾構造物 / 都市高速道路 / 耐用年数 / 寿命 / 経済モデル |
研究概要 |
公共土木構造物の維持・管理は、当初設計の段階で維持管理および更新計画を考えておくことが望ましい。しかし、現存の構造物では、設計耐用年数および会計法上の耐用年数が規程されているだけで、何時、どの程度の規模で何年先を見込んで補修したり、あるいは更新したりすれば良いかが解からず、定性的目的の下での日常点検や補修がなされている。本研究では、このような現状に鑑み、土木構造物の安全性・機能性・経済性に着目して、構造物の物理的寿命・機能的寿命・経済的寿命を合理的に設定し、補修と更新を何時、どの程度で行い、更新する場合は設計耐用年数をどの程度にすれば良いかを算定する経済評価モデルを構築した。モデルは、先ず、港湾構造物に適用された。すなわち、将成の港湾取扱い貨物量との関連で、現存する岸壁について、その年齢によって、補修と更新についての最的時期と最的規模を算出し、これらが、設計耐用年数と現在の年齢および需要の将来見通しによって変化することを明らかにした。特に、将来取扱い貨物量の予測の不確実性が最適補修・更新計画に強く影響することが解った。また、モデルは都市高速道路構造物(高架橋)の最適な補修・更新に時期と規模を決定する場合にも適用された。この適用で得られた成果は、以下の通りである。橋梁の当初設計耐用年数、現在の年齢、交通需要の成長率、社会的割引率によって補修・更新および新規構造物の設計耐用年数が決定されることを示した。数値計算事例によれば、当初設計耐用年数50年を目標に設計された橋梁で現在30年経過したものは、需要の伸びが5%程度であれば、今から20年後に補修を行い寿命を25年延長し、26年目に設計耐用年数40年の新規橋梁で更新するのが最適である。もちろん。これらは上に述べたパラメ-タによって変化する。現在は高速道路の舗装についての補修・更新計画について研究が進められている。
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