研究課題/領域番号 |
03650436
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
黒田 勝彦 熊本大学, 工学部, 教授 (20026157)
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研究分担者 |
飯田 克弘 京都大学, 工学部, 助手 (70222809)
安藤 朝夫 熊本大学, 工学部, 助教授 (80159524)
秋吉 卓 熊本大学, 工学部, 教授 (60040383)
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キーワード | 補修・更新計画 / 経済評価 / 耐用年数 / 高速道路 / ファジー評価 / 劣化確率過程 / 高架橋 / 道路舗装 |
研究概要 |
公共土木構造物の耐用年数、寿命の概念を整理し、劣化・損傷に伴う物理的耐用年数を考慮に入れた補修・更新計画モデルを提案した。構造物の耐用年数概念には、(1)物理的耐用年数、(2)経済的耐用年数、(3)機能的耐用年数、(4)社会的耐用年数、(5)計画耐用年数、(6)設計耐用年数、(7)法定耐用年数があるが、(1)〜(4)は寿命の尽きる原因に着目したもので相互に関連することを示した。また(5)〜(7)は施設計画を立案する際の基準として設定されたものであることを明らかにした。本研究では、これらのうち物理的寿命を「劣化指数」で表現し、維持管理行動と構造物の劣化との関係を明らかにした。これらの成果に乗っ取り構造物の劣化に伴う経済損失を、利用者の利用費用の増大あるいは利用不能による逸失便益によって計量し、補修・更新による投資費用との兼ね合いで最適な投資時期、投資対象(補修,更新)、投資規模を決定出来るモデルを開発した(以上平成3年度)。 モデルは先ず都市高速道路の高架橋の補修・更新計画に適用された。その結果、(1)劣化指数及び劣化費用の概念により、構造物の物理的寿命を内生化し、補修・更新の繰り返し回数を制限することなく最適政策を見い出せる、(2)既存施設を対象とするだけでなく、全く新規に施設を計画する場合にも適用出来る、ことが明らかとなった。次にモデルは、都市高速道路の最適舗装改修政策の立案に適用された。モデルの適用に際し、舗装の劣化過程は具体的データからマルコフ過程に従う確率モデルとして定式化した。舗装の劣化の遷移確率を支配する要因としては、分析データの制約から、橋桁の床版種別、舗装表層種別しか取り上げられなかった。舗装改修戦略としては、無改良、充填・パッチング、表層打替、全面打替の4段階を考え、改修工事中の車線規制の方法(規模、期間)も同時に決定出来ることを明らかにした(以上平成4年)。
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