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1992 年度 実績報告書

α-マンノシダーゼによる高マンノース型オリゴ糖鎖の調製

研究課題

研究課題/領域番号 03660125
研究機関東北大学

研究代表者

中島 佑  東北大学, 農学部, 助教授 (20091720)

キーワードα-1、3-マンノシダーゼ / α-1、3-マンノビオース / α-1、3-マンノオリゴ糖 / α-1、3-マンナナーゼ / マンノオリゴ糖 / α-マンナナーゼ
研究概要

前年度、我々のグループで単離した細菌のα(1-2)マンノシダーゼを使用して,α(1-2)結合のマンノオリゴ糖の調製が可能であることを示した。今年度は、N-グリコシド型糖鎖のコア構造に必須であるα(1-3)マンノシド結合のオリゴ糖を調製することを目的とした。まずα(1-3)マンノシダーゼあるいはマンナナダーゼを天然界から得ることを試みた。α(1-3)マンノシダーゼは,現在未知の酵素であり、それに関する報告は皆無である。最初にα(1-3)マンノシダーゼ生産菌を土壌中から得る目的で,キクラゲより調製したヘテロ多糖(キシロ・グルクロノマンナン)をスミス分解して,α(1-3)マンナンを調製した。これを基質として,上記酵素生産菌をスクリーニングしたところ,3株の細菌が得られた。その中の一株、AS-9株(グラム陰性細菌,極べん毛)の培養3液より,DEAE-トヨパールクロマトグラフィーを2回,トヨパールHW55Fによるゲルろ過を行い部分精製酵素を得た。(精製度13倍)本酵素はα(1-3)マンノシド結合をもつ多糖にのみ特異性を示し,他のマンノシド結合,すなわち、α(1-2),α(1-6)結合をもつ多糖には活性を示さなかった。本酵素のα(1-3)マンナン加水分解の至適温度は40℃,至適PHは7であり,二価の金属イオンに対しては水銀以外には影響をうけなかったが,EDTA(1mM)で80%の阻害を示した。本酵素のα(1-3)マンナンに対する作用様式は,分解物の経時的解析からエンド型と考えられ、α(1-3)マンナナーゼと考えられる。α(1-3)マンナン分解の最終産物はマンノビオースとマンノースであった。本研究の目的である高マンノース型オリゴ糖の調製法の確立ということからは,本酵素をα(1-3)マンナンに作用させ,反応中間産物である、α(1-3)マンノオリゴ糖を容易に調製できる点で,現在入手困難なα(1-3)マンノオリゴ糖を大量に供給できるめどがついたといえる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Chiba,Y.Yamagata T.Nakajima,E.Ichishima: "A New high-mannose type N-linbed Oligosaccharide from Aspergillus Carboxypeptidase." Biosci.Biotech.Biochem.56. 1371-1372 (1992)

  • [文献書誌] S.Kasahara,T.Nakajima.C.Miyamoto.K.Wada Y.Furuichi,E.Ichishima: "Characterization and Mode of Action of Exo-1、3ーβ-D-Glucanase from Aspergillus saitoi" J.Ferment.Bioeng.74. 238-240 (1992)

  • [文献書誌] 中島 佑: "真菌の形態形成に伴う細胞壁β-グルカンの構造変化" 真菌誌. 33. 259-265 (1992)

  • [文献書誌] 中島 佑(分担執筆): "糖鎖工学" 産業調査会, 680 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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