渦鞭毛藻Alexandrium hiranoiが生産するポリエーテルマクロライド:ゴニオドミンAの生合成経路に関する知見を得た。Provasoliの栄養塩添加海水に抗生物質(ペニシリンG、ポリミキシンB、ストレプトマイシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール)を添加した培地を用い、A.hiranoiを植え継ぐと同時に^<13>C標識化合物(酢酸、メチオニン、グルコース)を投与し、照度500μEm^<-2>S^<-1>、明暗サイクル12L-12D、温度25℃の条件で約1ヶ月間培養を行った。藻体から標識ゴニオドミンAを単離し、^<13>CNMRのシグナル増強によって標識位置を決定し、図に示す標識パターンを得た。40個の炭素が酢酸によって標識され、そのパターンから酢酸がTCAサイクルを経由してゴニオドミンAに取り込まれるとすると、ポリケチド以外にトリカルボン酸、コハク酸、マロン酸などの生合成前駆体が推定された。その他、メチオニンにより1個のメチル基が導入され、さらに、酢酸もメチルオニンも導入されなかった2つの炭素がグルコースによりシグナルが増強された。以上、ゴニオドミンAは一般のポリケチド経路によって生合成されるのではないことが判明した。
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