研究課題/領域番号 |
03670002
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
渡辺 皓 山形大学, 医学部, 助教授 (80004662)
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研究分担者 |
外崎 昭 山形大学, 医学部, 教授 (90004572)
石川 誠 山形大学, 医学部, 助手 (10212854)
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キーワード | シナプス受容体 / 脊髄 / 毛様体神経節 / 副腎クロマフィン細胞 / 凍結割断レプリカ法 / エッチング法 / ギャップ結合 |
研究概要 |
本研究では、性質の異なる受容体を備える脊髄のシナプス受容膜について、エッチング法による観察を行ない、各シナブス受容膜活性領域の構造特異性を明らかにした。本年度はさらに、当初計画には含まれていない、電気シナプスとしてのギャップ結合(GJ)の構造に注目し、興味ある所見を得たので合せて報告する。 I.アフリカツメガエル脊髄の興奮性S型シナプスと、抑制性F型シナプス受容膜のエッチング像を観察し、両者ともレプリカ像に特異的に示された膜内粒子に対応する粒状構造が、後膜の内外表面に認められた。このことから、レプリカ膜にみられたS型、F型シナプス受容膜に集合する膜内粒子は、ともに膜貫通型の蛋白であることが確かめられた。また、これらの貫通蛋白構造の少なくとも一部は、受容膜の裏打ち構造と直接結合していることが確かめられた。 II.電気シナプスとしてのGJに関し、以下の所見を得た。 1.毛様体神経節のGJ膜は、とくに生後2-3週で、しばしば細胞内に取込まれるが、成鶏では認められなかった。 2.水平細胞のGJでは、光照射の条件により、明期でコネクソンの分布密度は疎で、暗期で明らかに密度が増大した。この密度変化は、ドパミンを伝達物質とする細胞により調節されていた。 3.クロマフィン細胞のGJは機能に伴う形態変動に乏しく、代謝回転も遅いものと考えられる。 4.GJの代謝過程を理解する目的で、機能状態により著しい形態変動を示すマウス卵巣の果粒層細胞のGJについて観察し以下の結果を得た。(1)細胞内にGJ膜が取込まれる際にアクチンが主導的役割を演じる。(2)細胞内に取込まれたGJ膜は、リソソームによって分解され、GJ蛋白(コネクシン)も同様に分解される。(3)GJの形態形成にformation plaqueが関与する。(5)formation plaqueにみられる大型膜内粒子はコネクシンの前駆蛋白ではない。
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