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1991 年度 実績報告書

心不全発生のメカニズムとその予防効果

研究課題

研究課題/領域番号 03670466
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

野間 健司  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70130193)

キーワード心不全 / 心収縮力 / 心機能 / ミオシンアイソザイム / ACE阻害剤
研究概要

雄性Wistar rat用いて一側腎動狭窄およびAVシャントによる心不全ラットを作成した。術後2週において十分な血圧の上昇が認められたためそれらを2群に分け、一方にACE阻害剤であるcaptoprilを1g/lの濃度にてfree drinkingで投与した。これは体重当りに換算すると100mg/kgに相当する。術後16週においてcaptopril投与群では未治療群に比べて、血圧、左室重量の有意な低下が認められた。心収縮力は左室乳頭筋を用いてTyroid液にて潅流しながら0.2Hzの電気刺激によるisometric contractionにて評価した。その結果active tensionは、有意差はなかったもののcaptopril群において改善傾向が認められた。発生張力に関する速度のパラメ-タ-である+dT/dtmaxおよび-dT/dtmaxはcaptoril群において同様に改善傾向が認められた。しかしその他のパラメ-タ-、すなわちtime peak tension、total contraction time、time to half relaxationに関しては差を認めなかった。左室myosin isoenzymeに関して、未治療群ではV3が優位であったが、治療群においてはV3の減少、およびV1の増加といった有意な変化を認め、captopril投与により正常ラットの構成比率に近づいた。しかし心筋の繊維化の指標であるhydroxprolineは未治療群とcaptopril群とにおいて差を認めなかった。
これらの結果より心不全モデルラットにおいて、captoprilを投与しangiotensin IIを抑制することによって心不全を予防することが可能であると思われた。なお研究計画では他の血管拡張剤との比較、ならびに細胞増殖面の評価として発癌遺伝子の測定を計画していたが、心不全ラットの死亡率が予想以上に高く、十分な匹数を得ることが困難であったため、preliminaryなstudyにとどまり有意差を得るところまでいかなかった。来年度においてprostaglandinでの前処置実験と合わせて今後検討したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Noma: "The protective effect of captopril on congestive heart failure." J.of Molecular and Cellular Cordiology. Vol.23 Suppl.II. S-30 (1991)

  • [文献書誌] K.Noma: "An animal model of heart failure and effect of captopril" Molecular and Cellular Biochemistry.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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