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1991 年度 実績報告書

メチル水銀耐性細胞株の樹立とその耐性機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 03671070
研究機関和光大学

研究代表者

三浦 郷子  和光大学, 経済学部, 教授 (70101293)

キーワードメチル水銀耐性細胞 / メチル水銀の蓄積 / PC12細胞 / メチル水銀の排出 / グルタチオン
研究概要

メチル水銀(MeHg)のin vivoに於ける毒性発現は著しく神経組織特異的であるが、その生化学的、分子生物学的機構は未だ明らかにされていない。
本研究は、(1)神経生長因子に反応して分化し、神経細胞様機能を示すPheochromocytoma(PC12)細胞から、MeHgに対して異なる感受性を示す細胞株を樹立する。(2)樹立した細胞株の感受性変化の要因を明らかにすることにより、MeHgの毒性発現において重要な因子を特定する、ために行った。
平成3年度に得られた新知見は以下のとうりである。
〔1〕MeHg耐性PC12/TM細胞株の樹立: PC12細胞を繰りかえしMeHgで処理して得られたPC12/TM細胞は,MeHg非存在下で継代培養(約8ケ月)しても耐性を保持し、かつその特性である高グルタチオン(GSH)を維持するきわめて安定な細胞株であることが確認された。また、耐性の重要な因子と考えられるMeHgの低蓄積性は、取り込み速度が遅くかつ排出速度がきわめて速いことによることが判明した。
〔2〕MeHg耐性株の耐性要因の特定: 種々の化学物質(無機水銀、カドミウム、銅、鉛、クロム、シスプラチン、クロランブシル、アドリアマイシン等)に対する交叉耐性を検討し、共通要因を検索した。その結果、制癌剤では、細胞内のGSHによって毒性が軽減される薬物に対してのみ交叉耐性が認められ、耐性株の高GSH含量が重要な耐性因子であることが確認された。金属化合物では、無機水銀、銅、鉛で交叉耐性が認められたがGSH含量を低下させても感受性に影響を与えなかった。それに対し、無機水銀、銅については耐性細胞で蓄積量が親株に比べ著しく低下していることが確認された。
以上の結果から、高GSH含量および物質の細胞への蓄積性の低下が、耐性細胞の重要な耐性因子であることが明らかになった。
次年度は、これら耐性要因を担う分子の分子生物学的検索を行う予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kyoko Miura,Thomas W.Clarkson: "Reduced Methylmercury Accumulation in MethylmercuryーResistant PC12 cells." Toxicalogy and Applied Pharmacology.

  • [文献書誌] 三浦 郷子,池田 和正,永沼 章,井村 伸正: "メチル水銀館性PC12細胞の耐性獲得機構について" 生化学. 62. 611 (1990)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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