研究概要 |
愛知県を事例とする本研究の本年度作業課題は,戦前の第一回総選挙から近年時の総選挙結果デ-タ及び選挙活動状況の資料等を収集すること,くわえ政治的クライエンテリズムの探究へ歩を進めるため愛知県政に関する文献・資料等を収集することに重点をおいた。その結果,第1に,戦前・戦後の総選挙結果デ-タはほぼ収集でき,第2に,戦前期の選挙戦状況に関する新聞資料(複写)もそれなりに収集できた。そして第3に,かなり入手困難な戦前の愛知県(名古屋市)政に関する文献・資料も収集補充することができた。 そうした中で,愛知県を事例にした第一段階の分析結果を発表することができた。その内容の第1は,小選挙区制期(第1〜6回総選挙)と大選挙区制期(第7回総選挙以降)を比較一後期から前期を照射一し,前期にどのような形で選挙地盤が形成されたかを数量的デ-タをもって明らかにしたこと,第2は,立憲政友会の発足を指標とする1900年体制の成立が,第7回以降の総選挙にどにような作用(変化)をもたらしたかを明らかにしたことである。 以後,次年度研究期間においても、愛知県を事例にするこうした分析を継続することになるが,それには次の補充が※要と考える。第1に,選挙地盤の形成・変化を数量的に実証するには,総選挙だけではなく地方選挙のデ-タ収集が不可欠になること,第2に,選挙地盤の形成・変化を政治的クライエンテリズムのそれとして実証分析するには,さらに一層の文献・資料等の収集が※要になることである。そして、特に後者の研究課題へ歩を進めて分析結果をうるには,研究費用・期間枠からしても再(新)研究申請が必要と考えている。
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