研究概要 |
平成4年度に,ファジィ意思決定支援システムの型式・規模を決定し,その構築支援ツールを作成したが,本年度は,システムの構築・評価を行い,その有用性を明らかにした. 本年度に構築のシステムは,マーケッティング特に店舗立地問題に焦点を当て,モデルベースとしては評価手法を用い,これにファジィデータベース,ファジィ知識ベースを組み合わせたものである.評価に当っては,対象についての多くの評価項目を挙げ,これらの項目の重要度を定め,各評価項目ごとの評価値を決め,以上を総合して総合評価値を決定する.この場合,各評価項目は階層構造を形成するが,その作成のためのユーザへの支援機能と,総合評価の支援機能とが付け加えられていて,ユーザはコンピュータとの対話によって評価を容易に進めることができる。 一方,ファジィデータベースとしては,店舗立地問題への対応から,地図データベースを用いることとし,種々の問題に柔軟に対応できるように検索にファジィ学習型結合演算子を用いている.また,消費者が店舗までの距離を主観的にどのように感じるかをファジィ推論を用いて検討し,これを店舗立地への影響度という指標としてとり入れている. 以上のようなファジィ意思決定支援システムを構築し,これを大型小売店の立地問題に適用し,その有用性をシミュレーションによって明らかにした.有用性の検証には,ここで得られた解が,日本の各府県における過去の大型小売店の出店数統計との一致度によった.
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