研究課題/領域番号 |
04041011
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮岡 伯人 北海道大学, 文学部, 教授 (60002979)
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研究分担者 |
REED Irene アラスカ大学原住民言語研究所, 教授
KRAUSS Micha アラスカ大学原住民言語研究所, 所長
早津 恵美子 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (60228608)
大島 稔 小樽商科大学, 言語センター, 助教授 (00142787)
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キーワード | 北アメリカ北西部原住民 / エスキモー語 / 北米インディアン語 / アリュート語 / セイリッシュ語 / ハイダ語 / ツィムシャン語 |
研究概要 |
1.本計画以前から(研究協力者をふくむ)各人がすすめてきた言語調査の資料整理と分析結果にもとづき、あきらかになった不足部分とあらたな分野について聞き取り調査(平均2ヵ月)をおこなった。一部地域では、火山爆発にともなう混乱のために調査の実施がいくぶん妨げられたが、全体としては、予定どおりの進捗がみられた。 2.エスキモー語は、リードと協力しつつ、宮岡と早津が、日本語と著しい類似をしめす動詞のボイスの問題に、アリュート語は、大島が音声面とりわけ母音の脱落現象の問題に、解明の重点をおいた調査をおこなった。 3.インディアン諸言語については、宮岡およびクラウスと協力しつつ、渡辺がセイリッシュ語の重複現象の音韻的・機能的整理を試み、堀がハイダ語、笹間がツィムシャン語の複雑な音声体系の闡明をすすめ、中山がヌートカ語、市橋がマコー語の語彙と文法面での基礎的調査を続行した。これら研究協力者は、それぞれ言語調査の実力をつけ、自立的な研究者として成長をとげてきている。 4.現地調査は、予定どおり、一日約2〜3時間のインフォーマントからの聞き取りによる資料蒐集を中心として、残り時間は、得られた資料の整理と分析にあてた。ただし、夏は、どの原住民居住地も生業活動その他、多忙をきわめる時期であるだけに、とくに話し手数の少ない言語(ハイダ語など)では、毎日、定期的にすぐれたインフォーマントの協力をえることがしばしば困難であった。宮岡は、現地調査にくわえて、文献資料の蒐集と現地研究者との情報交換をおこなった。 5.調査より帰国後、リードとクラウスを北海道大学に招聘し、調査結果の検討と来年度の調査計画作成に協力をもとめた。
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