研究分担者 |
陳 徳来 浙江省民間文芸家協会, 副主席
蒋 水栄 浙江省民間文芸家協会, 編輯
陳 勤建 華東師範大学, 中文系, 副教授
周 星 北京大学, 中文系, 副教授
劉 鉄梁 北京師範大学, 中文系, 副教授
劉 嘩原 中国民間文芸研究所, 主任
馮 育楠 天津民間文芸家協会, 主席
林 相泰 中国民間文芸家協会, 副秘書長
橋谷 英子 新潟大学, 教養部, 助教授 (80189513)
矢放 昭文 京都産業大学, 外国語学部, 助教授 (20140973)
渡辺 欣雄 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (90103209)
菅 豊 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助手 (90235846)
小林 忠雄 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助教授 (00215336)
朝岡 康二 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (60072162)
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研究概要 |
平成4年度(初年度)の中国江南地方の民俗実地調査は,平成4年8月17日〜9月14日の約1カ月間行われた。対象地域は浙江省の温州市地区,寧波市地区,湖州市地区の3カ所とし,本年度はこれらの地域の概要を調査するため,総計18カ村の村落を訪れ,各ムラの民俗性を把握することができた。 調査の方法は,主として訪れたムラの概要の説明を得た後,研究分担者はいくつかのグループに分かれ,古老から解放前後の生活慣習の違いや,古くから伝承されている口頭伝承(昔話・伝説・歌謡等)について,或いは生業の実態などを実地に見学し,聞き書きを行った。また,旧家に伝わる古文書や道具の撮影等も行った。 その結果,これらの3地区では温州地区と寧波及び湖州地区とがあらゆる習俗や祖先祭祀の在り方を通じた家族親族の観念において微妙に異なることが判明した。さらに,研究分担者には風水思想の専門家がいるため,今回は新たに世界で最初の風水思想の実態調査が中国本土内にて行われたこととなり,多大な成果をあげることができた。また,中国における自然管理の歴史,例えば動物飼育の伝承などに日本との違いを見出し,これまで未分野の領域にメスを入れることが出来,画期的な成果をあげることができた。 特に,中国側の研究分担者は,これまで現地における直接の聞き取り調査を行った経験が少なく,日中両国の共同調査を通じて,これまで文献上の資料しかなかった口頭伝承の分野において,新たな資料の発堀をすることができた。なかでも鼠と係わった稲作神話の発見は大きな成果といえる。 ただ今回問題になったのは中国語の現地方言に対応しきれず,これからの調査の正確さを期すため質の良い方言通訳者を確保することであると考えられる。
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