研究概要 |
本重点領域研究「有機典型元素化合物の異常原子価」(省略:有機異常原子価:203)の総括班として,全体の運営に対する指導・助言を行うとともに2回の公開シンポジウムを主催した。第5回公開シンポジウムを平成4年7月6日・7日にKKRHotel Osakaで,第6回公開シンポジウムを平成5年2月3日・4日に広島国際会議場で開催した。毎回講演要旨集と広報(No.6・No.7・No.8)を発行したと同時に総括班会議・各班会議を行った。参加者は計画班員32名・公募班員36名と総括班の先生方および企業の方を含めて約90人であった。この他に,各班では班員間の研究連絡と討論を時間をかけて充分に行う研究連絡会を行った。年度末には、全班員の研究報告を集めた平成4年度研究成果報告書を作製した。 実際の研究は68名の班員を4班に組織して行った。 (A01班)高配位典型金属化合物の異常原子価(班長秋葉) (A02班)高配位ヘテロ元素化合物の異常原子価(班長古川) (A03班)低配位及び高歪曲型元素化合物の特徴と異常性(班長石川) (A04班)典型元素及び遷移金属化合物の接点(班長中村) A01班・A02班では,超原子価をもつケイ素・スズ・アンチモン・ビスマス及び硫酸・リン・セレン・ヨウ素化合物の合成と反応及び各元素に特徴ある新規な反応が開発された。A03班では不飽和結合をもつリン・ケイ素化合物の新規な反応性に関する成果の他に高歪化合物の合成・高合子化合物の設計が行われた。A04班ではカルコゲニド配位子をもつ遷移金属化合物の合成と遷移金属と典型元素の配位と結合に関して興味ある成果が実験・理論の両面から得られた。
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