研究課題/領域番号 |
04233219
|
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
海部 宣男 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 教授 (50011630)
|
研究分担者 |
森本 雅樹 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (80012805)
宮地 竹史 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助手 (50025293)
宮澤 敬輔 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教授 (10134628)
大石 雅寿 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (00183757)
川口 健太郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (40158861)
|
キーワード | 宇宙電波分光学 / 星間分子 / 電波分光学 / 暗黒星雲 / 宇宙化学 / 分子の総合探査 |
研究概要 |
本研究は、広い周波数帯域を一度にカバーでき、かつ高い周波数分解能を持つ音響光学型電波分光器システムを整備し、暗黒星雲の電波スペクトルを全波長について探査して、恒星と惑星の材料となる暗黒星雲などの天体の星間分子組成を総合的に明らかにすることを目的としている。今年度得られた成果は、以下の通りである。 (1)野辺山宇宙電波観測所の高分散音響光学型分光計(周波数分解能37KHz)の周波数帯域幅を320MHzから640MHz幅に倍増する拡張計画を完了し、その試験観測、データ取り込みと解析ソフトウェアの製作を行ない、超大型高分散分光計として完成させた。 (2)上記分光計と冷却HEMT受信機及び高感度のSIS受信機を用いて、暗黒星雲TMC1の高分散分子探査を開始した。新しい星間分子とみなされるHCCCNH^+のスペクトルが同定され、現在確認作業中である。 (3)TMC1の広帯域分光計(周波数分解能250KHz)による分子スペクトル探査が、8.8-50GHzについて完了した。国立天分台三鷹に、膨大な分子探査データの解析のためワークステーション用光磁気ディスクなどのシステムを整備して、データの整理・解析を進めている。 (4)銀河系中心のSgrB2、赤色超巨星IRC+10216など新しい天体におけるサーベイが進んだ。IRC+10216では、星間分子として初めてのマグネシウムを含む分子MgNCを発見し、金属化合物の化学過程の解明にむけて大きな一歩を進めた。また、銀河系中心部のSgrB2では、水蒸気の同位体HDOを銀河中心ではじめて検出し、星間化学において極めて重要な位置を占める水分子の観測の可能性が拡がった。
|