研究分担者 |
広部 雅昭 東京大学, 薬学部, 教授 (20012594)
芳賀 達也 東京大学, 医学部, 教授 (30011646)
堅田 利明 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (10088859)
井川 洋二 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40085618)
杉本 哲夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (90144352)
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研究概要 |
本年度は下記の成果を得た。大塚班員は新生ラットの摘出脊髄ー伏在神経標本を用い,神経刺激により誘発されるC線維反射がナロキソン存在下にペプチダーゼ阻害剤の適用により増大することを見い出し,内因性のタキキニン不活化機構の一部にペプチダーゼによる酵素的分解が関与していることを示唆した。大久保班員はサブスタンスPとサブスタンスK受容体のcDNA間で14種のキメラcDNAを作製し,受容体の構造と機能の相関を解析した。その結果,リガンドに対する選択性には主に第2膜貫通部位から第2細胞外ループを含む領域が関与し,第5〜7膜貫通部位はタキキニンペプチドに共通したC末構造の認識に重要な領域であることを示唆した。杉本班員はヒト脳幹のサブスタンスP受容体発現細胞の分布様式を明らかにした。堅田班員はG蛋白のADPリボシル化と機能修飾をHL-60培養細胞を用いて検討し,百日咳毒素基質であるGiがコレラ毒素によってもADPリボシル化される現象を発見した。芳賀班員はウシ肺よりβアドレナリン受容体を精製し,それがムスカリン性アセチルコリン受容体キナーゼによってリン酸化され,そのリン酸化がG蛋白βγサブユニットによって促進されることが見い出した。井川班員は各種の痛み情報と脊髄後角における遺伝子発現の関係を検討した。その結果capsaicin刺激でc-fosの増加が,またFormalinやAdjuvant投与群でKrev-1,C-H-rasの増加を認めた。広部班員は芳香族アミノ酸の中でテトラヒドロイソキノリン型閉環体の薬理活性を検討し,キョートルフィン型誘導体に鎮痛活性を認めた。村瀬班員はラット脊髄切片における神経興奮を光学的に記録し,spantideの作用を検討した。矢内原班員はヒト,ラット,ブタガラニンのインスリン分泌ならびに幼若ラットの脊髄反射電位に対する作用をin vitroで検討した。インスリン分泌抑制はラット>ヒト>ブタの順に強く,C線維反射ならびに単シナプス反射抑制はヒト>ラット>ブタの順であった。
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