研究課題/領域番号 |
04269106
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高月 清 熊本大学, 医学部, 教授 (80026830)
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研究分担者 |
伊藤 正彦 山梨医科大学, 教授 (90045740)
上田 重晴 大阪大学, 微研, 教授 (90068453)
三間屋 純一 静岡こども病院, 部長
斉藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
木村 哲 東京大学, 医科研, 助教授 (60010352)
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キーワード | HIV / エイズ / 血友病 / レトロウイルス |
研究概要 |
高月らは広範囲のHIV分離株に反応し中和活性を有するモノクローナル抗体を作成した。その臨床応用を目指し、ヒト型化し、複数のHIV株が混在するquasispeciesに対する中和活性を調べ、感染者末梢血で13例中9例に有効性を認めた。木村らは急激にT4リンパ球が低下した血友病3例のgeno-typeを調べ、3例ともT4が低下する以前にV3ループのシステインから数えて11番目のアミノ酸が陽性荷電のものに変異することを認めた。斉藤らはHIVの阻害物質Bicyclamがコア蛋白p24とマトリックス蛋白p17の結合部位に作用することにより抗HIV活性を呈することを明らかにした。三間屋らは血友病患者についてRT-PCR法を用いてHIV-RNAで経時時に観察し、薬剤の有効例ではRNA量が10^2〜10^3のレベルで低下すること、耐性となった例では増加傾向があり薬剤変更を考慮する指標になること、無症候でもRNA量は10^<-6>希釈まで検出された病例があることを報告した。上田らはHIV-1のp17に対するモノクローナル抗体を24種類作成し、昨年までに明らかにした三ケ所以外に、p17のアミノ酸配列30〜52の領域がエピトープのすべてが感染細胞表面に出現することを明らかにした。またこれらの抗体は感染細胞に添加すると培養液中の感染価を著明に低下させる場合がある。伊藤らは硫酸化アルキルオリゴ糖DL-110の抗HIV活性を検討し、マウス、ウサギ、ビーグル犬に静注し、半減期が6時間以上であること、alpha結合よりもbeta1→3結合の方が生体内で安定であること、などを見出し、DL-110の臨床応用が有望であることを報告した。
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