研究課題/領域番号 |
04272104
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
武藤 あきら 弘前大学, 理学部, 教授 (80034635)
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研究分担者 |
小林 悟 筑波大学, 生物科学系, 助手 (90225508)
遠藤 弥重太 愛媛大学, 工学部, 教授 (40093843)
原田 文夫 金沢大学, がん研究所, 教授 (40124424)
井口 八郎 京都大学, 理学部, 助教授 (20028195)
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キーワード | 低分子RNA / tRNA / rRNA / リボソーム / マイコプラズマ / ショウジョウバエ / ミトコンドリア / タンパク合成 |
研究概要 |
(1)低分子RNAとその機能の検索:最小のゲノムを持つ細菌であるマイコプラズマ、および大腸菌、枯草菌の低分子RNAを検索し、新種を含む数種のRNA分子を単離、その構造を決定した。そのうち、すべての菌に共通して存在する10SaRNAは、tRNA様の末端構造を有することが明らかになり、それを手がかりとした解析を進めた結果、このRNAは3端にアラニンを結合する能力があり、70Sリボゾームと結合して存在していることが判明した。これは10SaRNAが、翻訳過程に関与していることを示唆するものである。また、マイコプラズマでみつかったMCS4RNAは、真核生物にのみ存在すると考えられていたU6snRNAと類似生があることが明らかとなり、触媒RNAとしての機能をもつことが予想されている(武藤、井口)。mRNAの核外への輸送に関与していると考えられるゲツ歯類の4.5SHRNAについても、その結合タンパク質の単離同定を行うことにより機能解析を進めている(原田)。 (2)rRNAの新しい機能:細胞毒素であるα-サンシンやリシンは23SrRNA上の特定の部位を切断し、それによりリボソームはペプチド鎖延長機能を失う。ペプチド鎖延長反応へのrRNA自身の直接関与を明らかにする目的で、特定部位の合成RNA、反応素過程に必要な成分を調製し、機能解析を開始している(遠藤)。また、rRNAの全く新しい機能として、ショウジョウバエの極細胞(生殖細胞へ分化する細胞)形成にミトコンドリアのrRNA(mtlrRNA)が関与していることが明らかとなった。本年度の研究で、mtlrRNAが初期胚の極顆粒とよばれる粒子中に局在していることが、in situハイブリダイゼイション法を用いることにより、証明された(小林)。
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